【教師海外研修 授業実践】山口県山口市立良城小学校

2018年12月18日

日本の「すてき」を伝えよう

重兼 宏美先生

山口市立良城小学校で1年2組を担任する重兼(しげかね)宏美先生は、今年の夏、JICA教師海外研修に参加し、スリランカを訪問しました。外国が遠い場所だとは認識していても、隣県の広島県のことを同じように「遠い」と感じる子どもたちが海外について学ぶ、ということは、大人が想像する以上に難しいことです。
それでも自分が得た現地での生きた経験を児童に伝えたい、日本とスリランカの違いを見出すだけではなく、共通点を見つけたり、毎日の授業で身に付けた知識や経験と関連付けることができる内容にしたい、と考えた結果、重兼先生は、スリランカという外国を通じて日本の素敵なところを見直す、という授業を計画しました。

スリランカの友だちに日本を伝えよう

教室にはスリランカコーナーがありました

最初に重兼先生は、スリランカの世界遺産シーギリヤロックの頂上で撮った2枚の写真を並べて見せました。とてもよく似た風景ですが、「実は季節が違うんだよ」と説明すると、子どもたちは驚きの声をあげていました。冬と夏では色合いや服装が異なる自分たちの町と比べ、スリランカでは季節が変わっても木々の色や人々の服装が同じように見えます。重兼先生が「日本にある四季が、スリランカにはないんだよ」と説明すると、子どもたちからはさらに大きな驚きの声が上がりました。
本授業の少し前、1年生は校外に出て「秋見つけ」を行っています。色の変わったもみじを見つけ、どんぐりや松ぼっくりを拾ったことを思い出しながら、児童は日本の春や夏も魅力的であることを、口々に述べていました。そこで重兼先生は、スリランカで出会ったアクシィカちゃんの写真を見せ、アクシィカちゃんに日本の季節を伝える手紙を書こう、と提案しました。子どもたちは、先日見つけた秋だけでなく、「日本には冬という季節があります。屋根が雪でいっぱいになります」「日本には春があるよ。てんとう虫、ちょうちょが増えて、桜が咲くんだよ」と、各自が好きな季節とその特長を、アクシィカちゃんの顔を思い浮かべながら熱心に手紙に書きこんでいきました。
重兼先生の授業は、スリランカという異なる文化を通して、自分たちが当たり前に感じている地域や日本の魅力を再発見するものでした。そして、自国と外国との違いを知ることで、海外に興味を持つねらいもありました。子どもの頃から外国に慣れ親しんでいる良城小学校の子どもたちは、異文化を尊重し、楽しむことのできる好奇心旺盛な地球市民に成長してくれることでしょう。