【イベント報告】セルジオ越後さんトークショー

2018年12月20日

国際フェスタ2018

オープニングセレモニーでの書道パフォーマンス

中四国最大級の国際交流イベント「国際フェスタ2018」が11月18日(日)、広島国際会議場等にて開催されました。今年は過去最高、延べ12800人が来場し、フェスタを楽しみました。
当日は、各団体の工夫を凝らした出展ブースをみてまわる市民はもちろんのこと、スタンプラリーに走り回る子供たちや、着物の着付け体験をし、撮影を楽しむ外国の方、中南米の民族衣装体験やワークショップを楽しむ人たちの姿も見られました。
国際フェスタの目玉企画であるトークショー、日本人ブラジル移住110周年、サッカーW杯開催、という2大イベントのあった今年は、ゲストに辛口ながらもユーモアあふれるコメントで知られるサッカー解説者のセルジオ越後さんが登場しました。セルジオさんはサッカーのブラジル代表候補に選ばれたこともあり、日本にブラジルサッカーのエッセンスを伝えた日系ブラジル人二世です。実は意外と広島とご縁があるそうで、来日当初所属していたサッカーチームの藤和不動産(現:湘南ベルマーレ)は広島の会社フジタ系列で、チーム内では標準語と広島弁が入り乱れ、また、毎年GWに開催されるフラワーフェスティバルの第1回のゲストとして、当時、平和大通りでサッカーボールを蹴ったそうです。そんなセルジオ越後さんの、辛口なイメージとは裏腹に愛にあふれたトークに、来場者もぐっとひきこまれた様子でした。

日本とブラジル、日系社会とスポーツ

当日のトークショーの様子

来場者からの質問に笑顔で答えるセルジオ越後さん

トークショーでは、初めに日本人海外移住の概要、そして広島県が実は全国一の移民輩出県であること、そしてブラジル移住の歴史を簡単に振り返りました。
来場者は、セルジオさんのご両親をはじめとするブラジル移住一世の苦労や祖国日本を思う気持ちに思いを馳せ、今や先進国となった日本からブラジルへの支援より前に、戦後、貧困に喘ぐ日本への、移住者たちからの温かい支援があったこと、また最近では東日本大震災や西日本豪雨の際にも広く日系社会を中心とした支援があったこと、そして、日本各地で暮らす日系人たちの生活について紹介され、日本とブラジルをはじめとする南米にいる仲間たちとの絆を再確認できたようです。
また、サッカー選手になるまで、来日のきっかけ、来日が決まった時のご両親の喜びや、引退後も日本で青少年たちへのサッカー指導を続けたこと、アンプティサッカー(※1)やプロアイスホッケーチームの運営(※2)に関わるようになったきっかけなど、熱い想いのトークに、セルジオさんの日本への深い愛情と、スポーツの可能性を感じることが出来ました。

※1) アンプティサッカー:四肢切断障害を持った選手がプレーするサッカー。フィールドプレーヤーは下肢切断者、ゴールキーパーは上肢切断者が担当。

※2) セルジオ越後さんは2006年よりプロアイスホッケーチーム H.C.栃木日光アイスバックスのシニアディレクターに就任。

国際協力と教育、スポーツ

セルジオ越後さんと、思わず笑顔の中学生

青少年サッカー教室を通じて広く子供たちにサッカーを教えてきたセルジオさん、「教育環境がないところでは、学校・教育を与えることでその国が羽ばたける。」と、教育の重要性を語りました。「日本は勉強しすぎているからスポーツをしたらよい。開発途上国では教育環境が十分ではない。古いボールでサッカーをしている子供たちに新しいボールをあげるのもよいが、学校を作れば教育が受けられる。学校に行けないからサッカーをしている、という子供にボールをあげたらますます学校に行かなくなる。まず出来る事をするのは良いこと、だがそこで終わるのではなく、そこから学校で勉強したいという子供をサポートできるところまで繋がると一番。」と、支援・協力についての長期的な視点を私たちに気づかせてくれました。

真面目なトークの中にもユーモアあふれるセルジオさん。「プロサッカーとプロ野球、どっちが生き残ると思いますか?」とカープ帽姿の来場者から質問を受けた際には「スポーツと飲み屋は、絶対消えないですよ。」とお茶目に即答。「どちらも人と人を繋ぐから。スポーツはスタンドに人がきて友だちになるためにある。スタンドで知り合った人たちが街で会って交流が生まれる。同じ街のスポーツチームのチームカラーが同じなら、あなたはサッカーの人、あなたは野球の人、あなたはバスケの人、と分かれずに、街全体で一体感を持って応援できるのにね」。「ブラジル」や「サッカー」の枠にとらわれない様々な活動をしているセルジオさんならではの言葉に、来場者たちはハッとした様子でした。

これからもJICA中国では市民の皆様に世界を身近に感じてもらえるイベントを実施していきますので、お楽しみに!