【教師海外研修 授業実践】広島市立落合小学校 

2019年1月9日

スリランカの課題、日本の問題

横矢清人先生

広島市立落合小学校6年1組を担任する横矢清人先生は、JICA教師海外研修で訪問したスリランカについて、これまで8回の授業を行いました。最初は、横矢先生が見聞きしたスリランカのことを伝え、3回目の授業では子ども達自身がもっと知りたいことを考え、話し合いました。そして4・5回目の授業では栄養教諭の協力も得て、スリランカの文化を「スポーツ」「食べ物」「生活クイズ」に分け、児童が異文化体験を通じて、外国の文化の良さや日本との違いに気づくことのできる取組みを展開しました。
そして6時間目以降、児童は魅力的なスリランカという国にも課題や問題があることに気づき、その原因についても考えていきました。さらに、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)*を学び、17の目標とスリランカが抱える課題を比較していきました。それらの学習内容をふまえ、9回目の授業で横矢先生は、「日本にはどのような問題や課題があるのだろう?」と児童に問いかけ、班ごとに異なる2枚の写真を配りました。

小学6年生が考えるSDGs

身近な風景から日本の問題を考えよう

配られた写真のほとんどは身近な風景でした。学校近くのスーパーやファーストフード店、公園や家電量販店、農作業の様子など、普段見慣れた情景から「○○なことが問題」だと各自で見つけ、班ごとに意見交換していきました。全体の発表では、様々な課題が上がりました。ファーストフード店の注文カウンターの高さに着眼した児童は「車いすの人が注文しづらい」と指摘し、実際にその店に行ったことのある児童からは「二重扉になっているので、車いすの人や力の弱い人は入るのも大変」と、写真には写らない入口の扉についてのコメントもありました。また、たくさんのフルーツが並ぶスーパーの写真からは「外国産が多い」との意見が出ましたが、横矢先生は「なぜそれが問題なの?」とさらに問いかけ、児童全員がその理由や背景を考えました。
身近な風景からたくさんの日本の課題を見つけた児童は、それぞれの課題がSDGsの17の目標のどれとつながっているかを考え、スリランカの課題と比較しました。
横矢先生はこの授業を通して、開発途上国だけでなく、先進国にも問題はたくさんあること、SDGsは私たちの身近な生活にも関係していることを児童に気づいてもらいたかった、と言います。一見大人にも難しそうなSDGsという世界共通の目標を理解し、身近な自分たちの問題としてとらえることのできる小学6年生の児童は、それらの問題に対して自分自身に何が出来るのかも、きっと真剣に考えてくれるはず。SDGsが期限とする2030年、20代半ばになった彼らが担う日本と世界は、より良い変化を遂げていることでしょう。

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