【教師海外研修 授業実践】新見市立新見第一中学校

2019年1月9日

世界の福祉を海外で働く日本人から学ぼう

谷岡明日美先生

新見市立新見第一中学校で1年生を担当する谷岡明日美先生は、JICA教師海外研修で訪問したスリランカでの経験を生かした授業を、総合的な学習の時間で行いました。最初に谷岡先生は「青年海外協力隊って知ってる?」と問いかけ、生徒からは「技術を教える人」「現地の人の生活を助ける活動」といったイメージが上がりました。その後、谷岡先生は、現地で出会った青年海外協力隊員やNGO職員の写真と、その活動を解説した紙を配りました。生徒はバラバラに配られた写真と文章を比較し、どの日本人がどんな活動を展開しているかを想像し、組み合わせていきました。
障がい者の社会参加や自立支援がまだ進んでいないスリランカでは、かつては障がいを持つ人々は、1日中家に閉じこもるしかなかったと言います。そんな背景の中、ある青年海外協力隊員は障がいを持つ人への支援をしていました。また、ある隊員は、ゴミ問題が深刻な現地で、環境教育を推進する活動を行っています。そして、かつて内戦の激戦地であった場所に日本のNGOが入り、そこで働く日本人職員は現地の人々の収入向上のため、乳製品の加工・販売を行う事業を繰り広げていました。生徒はそれぞれの文章を熟読し、写真と組み合わせる作業を通じて、スリランカの人々をサポートする日本人の存在を知っていきました。

SDGsから見るスリランカでの日本人の活動

活動をSDGsのゴールと照らし合わせると…?

「では、彼らの活動は、SDGs*のどのゴールと結びついているだろう?」谷岡先生は17のゴールが描かれたカードを配りながら、生徒に問いかけました。前の授業で、SDGsについて学んだ生徒は、授業の内容を思い出しながら、カードと3人の活動内容を比べ、考えていきました。「障がい者支援を行う活動は『3:すべての人に健康と福祉を』『10:人や国の不平等をなくそう』につながっていると思う」「障がいを持つ人が働くことが出来たら『8:働きがいも経済成長も』にもつながるのでは?」など、様々な意見が出ました。また、「かつての紛争地での収入向上プロジェクトによって、現地の人が働いて豊かになれば、避難した人たちも町に帰ってくるのでは?」という理由で、NGO職員の活動を『11:住み続けられる町づくりを』と結びつけた生徒もいました。そして「3人全員に『17:パートナーシップで目標を達成しよう』はあてはまる」といった感想もあがり、まだまだ認知度の低いSDGsの理念や趣旨を、中学1年生の彼らが深く理解していることが分かりました。
最後に彼らは、今の自分たちに出来ることを、17のゴールに沿って考えていきました。「課題がある国の存在を周囲の人に知らせる」「SDGsのことを伝えていく」など、自身が学んだ内容を還元するといった活動から、「給食の残飯を減らす」という、身近でありながらも非常に重要な点を指摘した生徒もいました。
1年生はこの授業の前に、校外学習で福祉関連の施設を訪問しています。谷岡先生は、スリランカのエピソードを生徒が身近にとらえられるよう、福祉というキーワードを使って授業を展開されました。海外で展開される国際協力が、決して私たちの暮らしとかけ離れた事柄ではない、ということを、生徒は深く受け止めてくれたことでしょう。

関連リンク: