【学校訪問レポート】広島県立瀬戸田高等学校[広島県]

2019年3月19日

いざ出発!

慣れない英語で一生懸命説明するギニアのコナテさん

 2月18日(月)、「アフリカ地域 教師教育(基礎教育分野)」コースの研修員5名が、広島県立瀬戸田高等学校を訪れました。研修員の出身は、ベナン、コートジボワール、ギニア、セネガルの4か国。当日は、美しい民族衣装で登場した研修員もいて気合は十分。日本の高校生とのどんな出会いが待っているのか、とても楽しみにバスに乗り込みました。

初めての「たこのみ焼き」

段取り良く調理を進めるセネガルのナラさんのグループ

 学校到着後、まず研修員の心をとらえたのは、渡り廊下の先に広がる美しい海でした。この日の晴天も手伝って、美しい絵画のような海が、学校の前に広がっていました。研修員は、「うわー美しい。」と感嘆の声をあげながらシャッターを切りました。「こんな美しい環境で勉強できるなんて幸せだね。」とギニアのコナテさんが羨ましそうにつぶやきました。
 歓迎の挨拶、瀬戸田高校の学校紹介に続き、研修員によるお国の紹介がありました。あらかじめ準備したお国の画像を見せながら紹介するのですが、研修員は全員フランス語圏の国出身で、あまり英語が得意ではありません。それでも生徒たちのためにと、英語の原稿を持参し、それを片手に一生懸命説明していました。その内容は、動植物、祭り、ダンス、食物、奴隷収容所等、多岐に渡っていました。説明する研修員の一生懸命さが伝わったのでしょう。聞いている生徒たちの表情も真剣そのものでした。
 お国紹介が終わるとグループに分かれて、楽しみにしていた、たこのみ焼き作りです。たこのみ焼きとは、関西風お好み焼きに地元特産のたこを加え、そばと一緒に焼いたオリジナル料理です。たこのみ焼きをひっくり返す時にはあちこちで「おーっ!」と歓声が上がりました。野菜を切ったり具材を混ぜたり、生徒たちに教えてもらいながら楽しそうに調理する姿は、慣れない英語でお国紹介をした時とは別人のようでした。自分たちで作った、たこのみ焼きを試食して、口々に「おいしい!」と大満足でした。

童心に返って日本の遊びを楽しむ

生徒にじゃんけんを教わる、コートジボワールのコネさん

 続いて研修員が体験したのは、日本の遊びです。体育館に移動して、1、2年生と交流しました。体験したのは、「じゃんけん列車」と「風船ゲーム」、「しっぽとり鬼」です。「じゃんけん列車」は、1対1でじゃんけんをして、負けた方が勝った人の後ろに列車のように繋がっていく遊びです。最後に1本の列車になった時、先頭にいる人が優勝となります。まずは日本のじゃんけんを生徒たちに教わりました。「ペイパー、シザーズ、ウイナー!」と懸命に伝える生徒に「OK!OK!」と研修員。早速じゃんけん列車のスタートです。「じゃんけんぽん!」残念ながら研修員は皆、早々に負けてしまいましたが、自分の列車が勝ち進むたびに、腕を振り上げて喜んでいました。
 「しっぽとり鬼」は、2チームの対抗戦です。ズボンやスカートに挟んだハチマキのしっぽを、お互いに奪い合います。たくさん取ったチームが勝ちです。6チームがトーナメントで戦いました。研修員は自分のしっぽを取られまいと、長さを短くしたり、しっぽを手で押さえたり。生徒たちは、そんな研修員の裏をかいてしっぽを奪い、得意満面の顔で走り去っていくのでした。その時の研修員の悔しそうな顔は、子どもに戻ったようでした。

お国の遊びを紹介

キペ ガインで輪の中に集められた人たち

 日本の遊びの体験が終わると、今度は研修員がお国の遊びを紹介する番です。ベナンの「キペ ガイン」とギニアの「スリスリ」を紹介しました。「キペ ガイン」は、大人数で輪になり、スタートの人が1と言います。そこから3をプラスした数字を1人飛ばしで順に言っていく遊びです。プラスする数字はスタートの人が決めるのですが、計算しやすい2や3が人気でした。答えや順番を間違えた人は、どんどん輪の中央に移動し、最後まで残った人が勝ちとなります。一見簡単に見えますが、1人飛ばしに混乱するのでしょうか?「あー間違えた!」と生徒が輪から外れるたびに、温かい笑顔で生徒たちを見つめるベナンのコトさんは、やはり教師の顔をしていました。
 もう1つの「スリスリ」は、日本の鬼ごっこに似た遊びです。スリはフランス語でネズミという意味で、ネズミとそれを追いかけるネコという設定です。日本の鬼ごっこと違うのは、皆で大きな輪になって行うこと。その内の1人がネズミ、1人がネコになり、ネズミが輪になっている残りの人たちの間をジグザグに逃げていき、ネコがそれを追いかけて捕まえるところです。ジグザグに走るのでうまく走れずスピードも出ません。必死の形相で逃げるネズミとそれを追いかけるネコ。生徒たちも研修員もしっかり動いて心も体もポカポカになったようでした。

楽しい1日に大満足

全員で記念撮影

 あっと言う間の1日でした。英語でお別れの言葉を述べてくれた生徒の一生懸命な姿に、研修員は皆、感動していました。セネガルのナラさんは交流後、瀬戸田高校の生徒数を何度も先生に確認していました。「本当に全校生徒60人程度しかいないの?」とびっくりした様子でした。「アフリカでは、1クラス60人という学校もたくさんあるよ。少人数だと教師の目が行き届いていいね。」瀬戸田高校の先生たちとも、もっと話をして交流したかったようでした。帰りのバスからも身を乗り出して、教室の窓から見送る生徒たちに手を振っていました。
 広島県立瀬戸田高校のみなさま、心のこもったおもてなしと楽しい時間を、どうもありがとうございました!