【イベント報告】JICA研修員、御薗宇小学校 運動会に参加

2019年6月14日

5月26日(日)、東広島市立御薗宇小学校で、第39回春季大運動会・区民体育大会が開催されました。区民体育大会では、地域住民が5つのチームに分かれて、得点を競い合います。JICAからは、インド、エチオピア、ザンビア、スリランカ、フィリピン、マラウイ、南スーダン、メキシコ、ルワンダの計9か国18名の研修員と、9名の日本人ボランティアが、地域チームの一員として参加しました。

色々な競技に挑戦!

真剣な表情でパンをくわえて走るメキシコのトムさん。見事1位でバトンタッチ

絶好の運動会日和の中、運動会が始まりました。プログラム第1番の準備運動では、全員でラジオ体操を行いました。日本独自のラジオ体操ですが、研修員は皆、堂々として得意満面です。どうやら事前に練習した成果がばっちり表れたようです。
続いて小学1,2年生によるかけっこが行われました。小さな児童が走る姿に「かわいい~。」と歓声が上がります。何度もフライングをしたり、順番を間違えて走ってしまった児童に、笑顔で声援を送っていました。
「パン飴食い競争」に出場したザンビアのシェリーさんは、通常は男性が参加する、小麦粉の中から飴玉を探し出す競争に果敢に挑戦。「大丈夫だった?」との問いに「楽しかった!!」と満面の笑みで答えてくれました。

Hello! From the World

綱引きに参加して、必死に綱を引く研修員

児童のインタビューを受けるエチオピアのマテビさん

午後の部の最初のプログラムは「Hello! From the World」です。研修員が国ごとに国旗を掲げグラウンドの中央に1列に並び、インタビュー形式で、自国と日本の学校生活の違いを紹介しました。児童2人が英語と日本語で質問をしていきます。
「日本の小学校は1クラス40人くらいですが、この中で、それよりも多い国はありますか?」何か国かの研修員が立ち上がって国旗を振ります。その中で児童はルワンダの研修員の所へ行って尋ねます。「1クラス何人ですか?」
「100人です。」「え~!」児童のテントからどよめきが起こります。「100人では多いので、2つに分けて、50人は7:30~11:30、残りの50人は12:30~16:30と交代で学校に来ます。」とルワンダのマーサさんは説明してくれました。
また、「この中で、学校まで歩いて1時間以上かかる国はありますか?」との質問に「平均で1時間です。」と答えたのはエチオピアのマテビさん。「でもそのおかげでエチオピアには、速いマラソンランナーがたくさんいます。アベベという選手を知っていますか?彼はオリンピックで2大会連続金メダルを取ったんですよ。」「すごい!」と児童テントから感嘆の声が聞こえてきました。そして最後の質問「この中で今日の運動会を楽しんでいる国は?」には、全員が立ち上がって国旗を振り、大拍手の中、退場していきました。
地域の方々からは、「研修員の国について初めて知った事がたくさんあった。」「来年も楽しみにしています。」と感想をいただきました。

運動会で学んだこと

最後の整理運動「いきいき体操ひがしひろしま」までしっかり参加しました

他にも、綱引きや防火リレー、玉入れや混合リレーに参加して汗を流した研修員達は、最後は自然に自分の所属するチームを応援するまでに運動会に溶け込んでいました。そしてこんな感想を述べていました。
「日本の子ども達は運動会を通して、協力する事や互いを尊敬し合う事、また、肉体的にも精神的にも強くなる事を学んでいることがよく分かった。」「今日は一致団結の文化としてのスポーツを学ぶことができた。」「国に帰ってから、私の学校でも、学校行事に家族や地域が参加できるよう、少しずつ進めていきたい。」

研修員にとっても、児童や地域の人達にとっても、お互いの違いを認め合い、協力することを学ぶ良い機会となったようです。

御薗宇小学校の皆さま、地域の皆さま、楽しい1日をありがとうございました。