【教師海外研修 派遣前研修】ラオスでの学びを子どもたちに伝えるために

2019年7月19日

山中信幸先生の講義

2015年度教師海外研修参加の丸王 祐子さん

 2019年6月29日(土)、30日(日)の2日間、教師海外研修の派遣前研修を行いました。今年度はJICA中国・四国の両センターが合同でラオスを訪問することになり、中国4県から7名、四国3県から5名の計12名の先生方が派遣前研修の会場である岡山市に集まりました。
 校種や地域、担当教科など幅広く多様な先生方がご参加下さいましたが、ラオス訪問は全員初めて。まずは、ラオスで使われている日用品に触れてもらい、何に使うものかを想像しながら、数十日後に訪問する国に想いを馳せてもらいました。
 川崎医療福祉大学の山中信幸先生からは、開発教育の成り立ち、趣旨や特長についてご講義頂きました。山中先生自身がJICA教師海外研修に参加してインドネシアを訪問した際に作成した教材もご紹介下さり、参加者は教材体験を通じて、参加型学習の効果や具体的な方法について実感できたようです。
 また、2015年度教師海外研修に参加され、ラオスを訪問した丸王祐子さんにもお越しいただきました。帰国後の授業を見据えた事前学習や準備について、現地での過ごし方や印象的だったこと、授業実践の内容と生徒のリアクションなど、実際の教材を紹介しながらお話下さいました。経験者だからこそ話せる有益な体験談は、参加者にとって、海外研修の趣旨や流れ、ポイントを改めて理解するための貴重な時間となりました。

日本の子どもと世界をつなぐため、教師ができること

参加型教材を体験中

グループでのディスカッション

 2日目は、持続可能な開発のための教育について、山中先生の進行のもと、参加者全員でディスカッションを行いました。教師海外研修の成果として実践する授業は、決して渡航国の情報を児童・生徒に伝えるものではありません。ラオス「を」伝えるのではなく、ラオス「で」教室の子どもたちに何を伝えたいのか。その前段階として、まずは私たちが目指す、持続可能な社会を構築するために必要な教育とは、いったいどのようなものなのかを考えていきました。何をゴールとするのか、どんな手法で、プロセスで行うのか…。とても難しいテーマに、参加者全員頭を悩ませながらも、次々と意見を出し合っていきました。この時間の成果品である模造紙は、ラオス海外研修後に行う帰国後研修で再度見直し、渡航前と渡航後の自身の変容を見つめる材料にしていきます。

 たくさんの情報がつまった2日間の研修は、先生方にとっても大変だったと思いますが、一人一人が熱心に積極的に参加して下さり、とても有意義な時間となりました。
 次回先生方とお会いするのは8月6日(火)、ラオス出発の前日となります。それまで各訪問先で何を見てどんなことを知りたいか、それが帰国後の授業実践にどうつながるか、児童・生徒に何を伝えたいのか、などを問い続けてもらい、10日間のラオス海外研修へ赴きます。