【学校訪問レポート】盈進中学高等学校[広島県]

2020年3月19日

盈進中学高等学校に向かって

 2月17日(月)、2019年度第5回目となる学校訪問が行われました。訪問するのは、日本の教育について学ぶ「アフリカ地域 教師教育(基礎教育分野)」コースに参加している、ガボン、ギニア、コートジボワール、ジブチ、セネガル、チャド、ニジェール、ブルキナファソ、ベナン、マダガスカル、マリ、モーリタニア、中央アフリカのフランス語圏13か国からのJICA研修員13名。高校校舎が昨年4月に完成したばかりの広島県福山市にある盈進中学高等学校を訪問しました。研修員にとっては日本の私立学校についても学ぶ機会となります。英語を話す研修員が少ないため、今回の訪問では、生徒さんたちと身振り手振りのコミュニケーションを楽しむことを目標とします。小高い丘の上に新校舎が見えると、研修員の期待がふくらんでいきます。

書道と凧あげ

ジブチのアブドゥルカデルさんと生徒。土台の凧を作った中学1年生にも感謝!きちんと上がるかな?

中学1年生の「パプリカ」合唱

上がった凧、上がらなかった凧。
風に向かって駆け回りました!

 校長先生から歓迎のお言葉をいただいたあと、早速学校の中を見せていただきました。広いゆったりとした廊下の床は木製です。職員室は、廊下との仕切りはカウンターだけで、一角に設けられたスペースで自習する生徒の姿も見えます。研修員が歩いていると、物珍しそうにこちらを見て手を振ってくれる生徒も。研修員も、邪魔にならないようゆっくり歩きながら、笑顔で手を振り返します。チャドのニンゴンさんが「ロイヤルファミリーみたい」と言って笑いました。
 最初の授業では、高校1年生と一緒に書道に挑戦しました。研修員と生徒が隣り合って座り、研修員は、生徒の書く様子をじっくり観察。次は、いよいよ筆を借りて練習です。中には、形や筆順が難しい漢字もありましたが、上手なお隣の「先生」の指導で、書けるようになりました。清書は、中学1年生が作って用意してくれた凧に、練習した字と名前を書いて完成です。
 午後は、中学1年生との交流から始まりました。広いホールで待っていると、生徒が入場。研修員を歓迎する合唱「パプリカ」を歌ってくれました。日本語のほか、英語でも歌ってくれ、手に持った星マークを揺らし、数名の生徒がダンス。見事なソロパートもあり、最後は研修員のスタンディングオベーションとなりました!
 そのまま、午前中に仕上げた凧を持ってグラウンドに。研修員にとっては自分が書いた凧、中学1年生にとっては自分が作った凧です。雪がチラつきましたが、風のおかげで凧あげ日和。寒風の中、凧をしばしばひきずりながらも生徒と一緒に駆け回りました。

英語とフランス語と、身振り手振りでお国紹介!

セシルさんの激しいダンスにクラスが盛り上がりました

 中学2年生の化学と英語の授業見学をはさんで、中学3年生の教室でお国紹介をしました。研修員は朝から民族衣装を着ています。中央アフリカのセシルさんは、ダンスの様子の写真を見せながら、実際に踊ってみせてくれました。普段は、フランス語を話す研修員たち。他の研修員が「ジャズィが英語をしゃべった!」と驚くほど、この日のために英語を練習してきたのはギニアのジャズィさん。ギニアの国旗や料理について写真で説明してくれました。また子孫繁栄と豊穣の女神ニンバがお金に印刷されていることを、本物の紙幣を見せながら紹介してくれました。「Give me!」と言う生徒もいて楽しいお国紹介となりました。
 様々なプログラムを準備してくださった盈進中学高等学校の皆様、どうもありがとうございました!