JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2019 受賞者を訪問しました! 

2020年3月24日

中学生が地域で発信する「世界」と「人権」

(右より)菅校長、JICA中国所長、藤尾さんとご家族

 日本と開発途上国との関係や、国際社会で日本の果たすべき役割、持続可能な社会について考え、自分の言葉で語ってもらう「JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト」が2019年度も実施され、中学生の部で27,320点、高校生の部では28,141点、総数55,461点もの応募がありました。中国5県からも中学生の部1,902点、高校生の部1,651点の応募を頂きました。
 厳正なる審査の結果、広島県福山市にある盈進中学校3年の藤尾菜津さんの「『ザホール』~真実への私の第一歩」が「国際協力特別賞」を受賞しました。
 藤尾さんは同校の「ヒューマンライツ部」に所属しています。平和、人権について学び、ボランティア活動も展開する同部ですが、学校の近くにあるホロコースト記念館を毎年訪問しているそうです。先輩と館長からホロコーストの歴史と館内の説明を聞き、それを今度は後輩や近隣の小学生、ときには修学旅行で訪れる他県の中学生にガイドとして解説する、という活動を長年続けることで、地域で世界と平和を考え、発信しています。藤尾さんもこのガイド経験を通して感じたことをエッセイにまとめてくれました。
 「国際協力」と聞くと、海外滞在・訪問の経験がないとハードルが高く感じられるかもしれませんが、藤尾さんは地域で世界に触れ、学校の近くで人権を考え、ガイド活動を通じて「平和をつくりだす」活動をしています。藤尾さんのエッセイは、まさに「Think globally, act locally(世界規模で考え、地域で行動に移す)」を体現されたものでした。

自分ができるボランティア、それを伝えることの意味

(左より)三宅校長、有馬さん、JICA中国所長

 岡山県倉敷市にある清心女子高等学校1年の有馬愛喜さんは、昨年の夏休みに大学病院で行ったボランティア活動についてエッセイにまとめてくれました。小児病棟にいる子どもたちと工作や絵本を通じて仲良くなったこと、その体験を通じて患者の生活改善を考えたこと、そしてJICAが開発途上国で展開する医療・保健支援についても触れ、ケアを必要とする人への周囲の理解と協力を訴えました。「自分が行動するだけでなく、それを継続的に発信することで、国際協力を支える助けとなりたい」。有馬さんのエッセイにはそんなメッセージが込められていました。
 また、有馬さんが学ぶ清心女子高等学校は、本コンテストに毎年応募して下さっています。訪問当日は、有馬さんに国内機関長賞、同校の三宅聖子校長に特別学校賞(60作品以上または全校生徒の3割以上の応募があった学校に贈られる「学校賞」を、長年に渡り連続で受賞した学校に贈られる)がJICA中国所長の三角より授与されました。
 本コンテストは2019年度で中学生の部24回、高校生の部は58回を数える歴史あるプログラムです。
 地球の未来を担う中学生、高校生の皆さん、来年は是非皆さんの想いをエッセイとして発信してください!

※下記リンク先の「2019年度の受賞作品、受賞者(校)一覧はこちら」で盈進中学校の藤尾菜津さんの作品をお読み頂けます。