【JICA研修員の学校訪問レポート】竹原市立竹原中学校[広島県]

2022年12月20日

研修員が心待ちにした学校訪問

12月2日(金曜日)、広島大学で学ぶ11名のJICA研修員が、竹原市立竹原中学校を訪問しました。この日はそれまで続いていた暖かい日々とは一変、どんよりとした肌寒い朝でした。朝早い集合時間でしたが、バスに乗り込む研修員の顔は明るく爽やかで、みんなのワクワク感が伝わってくるようでした。自国の国旗入りスカーフを巻いた人や、寒い中、民族衣装を着て参加してくれた人もいました。生徒たちに見せるため「お国の小物を持ってきた」という研修員の言葉を聞いて、「お国から持ってきたもの、僕だけじゃだめかな?」と笑わせる研修員もいて、和気あいあいとバスは竹原に向かいました。

初めての福笑い

ひょっとこの福笑いに挑戦するナイジェリアのオラヤミさん

学校に到着後、体育館で交流会が始まりました。JICA研修員の他にも竹原市内のALTが5名参加していました。全体での簡単な自己紹介が終わると、16グループに分かれての交流です。この小グループで福笑いと凧作りを行います。この日研修員は、午後から自国の紹介をするために資料を持参していたのですが、数人がフライングして早速お国の紹介を始めてしまいました。「お国紹介は午後からですよ」と声をかけると、「えっ、まだなんだ!」と照れ笑い。よほどお国の紹介をしたかったのですね。微笑ましいひとコマでした。
福笑いでは、おかめ、ひょっとこ、ブタ、ウサギ、犬の顔が準備されていました。目隠しをして生徒たちの声を手掛かりに、目や鼻を置いていきます。中には、くすくすという生徒たちの笑い声を聞いて、置き場所を変える研修員や、みんなの出来上がった「顔」をカメラに収める研修員もいて、とても盛り上がりました。

みんなで協力して凧作り

一番に凧を完成させたアフガニスタンのサミンさんグループ

福笑いが終わると凧作りです。まずは研修員が筆と墨を使って大き目の半紙に漢字を書きます。その紙を竹ひごで組んだ凧に貼り付けていくのです。よく見ると、漢字も凧の形もグループによって少しずつ違います。どのグループも悪戦苦闘している中、何とずば抜けて早く完成したグループがありました。アフガニスタンのサミンさんのグループです。慣れた手つきで凧に糸を通して、あっと言う間に完成させただけでなく、材料が入っていたビニール袋を使って、アフガニスタンの凧も作ってしまいました。子どものころによく作って遊んでいたそうです。これには生徒たちも「すごい!」と感心していました。
完成した凧をグラウンドで飛ばしてみました。かなり高くまで上がった凧に得意そうなグループや、走っても走ってもなかなか上がらないグループもありましたが、研修員は童心に帰って生徒と一緒に走り回り、研究で忙しい毎日から離れて束の間のリフレッシュができたのではないでしょうか。

伝えたいことがいっぱいのお国紹介

ドミニカ共和国のダンスに挑戦!

凧上げが終わると研修員が待ちに待ったお国紹介です。グループの生徒たちに、持参した資料を使って自国を紹介していきます。研修員の資料は分かり易いように画像が中心でしたが、説明は全て英語です。研修員の英語を聞き取ろうと真剣に耳を傾ける生徒たちの姿に、「生徒たちが、自分の国の文化を知りたいと興味をもってくれたことがとても嬉しかった」とはバングラデシュのイムランさんのコメントです。また、生徒からも「イムランさんの話を聞いて、バングラデシュに行ってみたくなりました」と感想が寄せられました。
また、言葉を超えた交流をしているグループもありました。ドミニカ共和国のキルさんのグループです。キルさんは自国のダンス音楽を持参して生徒たちにステップを教えていました。照れくさそうにステップを踏む生徒たちも、最後には満面の笑みで踊っていました。

もう一度戻ってきたいほど楽しかったよ!

メイメイさんにカンボジアのあいさつを教わる生徒たち

最後の最後まで手を振って見送ってくれた皆さん、ありがとうございました

最後に全員でグラウンドに出て、生徒たちのソーラン節を見せていただきました。はっぴとハチマキ姿でグラウンドいっぱいに並んで踊る姿は壮観です。研修員たちは皆スマホを構えて、写真や動画を撮影していました。
予定時間を大幅に過ぎてしまい、最後は急いでバスに乗って学校を後にしましたが、先生や生徒たちが、駐車場から校門の外にまで並んで手を振って見送ってくださいました。「あんな風に見送ってくれて嬉しい!」とバングラデシュのタニアさん。また、カンボジアのリットさんは、「交流に参加する生徒たちの姿勢がとても良かった。先生や生徒たちから、特に温かいもてなしと明るい雰囲気を受けた。もう一度戻ってきたい!」と語っていました。
竹原中学校の皆様、素晴らしい一日をありがとうございました。