広島県青年海外協力隊を育てる会と帰国隊員の交流会を実施しました

2022年6月10日

笑いの絶えない交流会

広島県青年海外協力隊を育てる会上田会長のご挨拶

5月14日に、広島県青年海外協力隊を育てる会とJICA海外協力隊員の交流会(帰国報国会)を行いました。

第一部では、
・広島県青年海外協力隊を育てる会 会長の上田みどり先生より開会のご挨拶
・JICA中国の岡田務所長から、JICA海外協力隊の派遣状況等、現在のJICA事業についての説明
・広島県在住の帰国隊員3名による活動報告
が行われました。

今回、派遣国での活動の様子を報告してくださったのは以下の3名です。
花岡沙織さん(派遣国:ラオス/職種:PCインストクター/派遣期間:2017年6月~2019年12月)
浦田悠理子さん(派遣国:モンゴル/職種:体育/派遣期間:2018年7月~2020年3月)
橋本良さん(派遣国:ネパール/職種:行政サービス/派遣期間:2019年4月~2020年3月)
3名とも、現地での活動をわかりやすく、ユーモアを交えながら報告をしてくださり、多くの方が報告をメモする姿が印象的でした。

「わかった!」の瞬間にたくさん立ち会えた。

お坊さんにもPC指導をされた花岡さん

ラオスでパソコンの指導を行うのは簡単ではなかったと語る花岡さん。

配属先の職業開発センターに通う生徒の中には少数民族出身の生徒もいて、その生徒たちはラオ語の学習からスタートをすることに・・
Officeがラオ語非対応のため、英語の表記では操作の説明ができない・・
ラオ語で検索しようと思っても情報量が少ない・・

そんな中でも、自身も生徒も少しずつ成長し、「わからない→わかった!」の瞬間に立ち会えたことの喜びをお話ししてくださいました。

「JICA・ラオスで出会った人たちから与えてもらった恩を(恩返しもしつつ)次の世代に恩を送っていきたい。」と今後への思いを抱く花岡さんは、ラオスと日本を繋ぎ、ラオスや日本のモノづくりの技術を伝えるため、webデザインや生産工程を学び、発信し、多くの人を巻き込みながら、着実に恩を送り始めています。

ぶつかり合った日々を乗り越えて・・

浦田さん「子どもたちの笑顔が何よりも力になった」

個人競技は強いけど、チームスポーツは苦手・・。
そんな特徴があるモンゴルで、どうにか協調性を育むことができるような授業を展開したい、そして自分が帰国後も継続してほしいと願い、カウンターパート(同僚の先生)に提案し、授業の実践を行います。時にぶつかり合いながらも、何度も対話を重ね、自分の思いや考えを伝えることと同じくらい、相手の言うことや何を大切にしているかに耳を傾けることも大切なことだと実感した浦田さん。

現在は大学院で学び、ボランティアで国際機関の取組に参加し、時間を作っては遊びの場で子どもたちと全力で遊ぶ日々を過ごしています。そんなパワフルな浦田さんは「マクロであろうとミクロであろうと、子どもがキラキラ活き活きと毎日を過ごしてワクワク夢を持てるような世界を創ることに貢献したい」とご自身の目をキラキラとさせながら目標を語ってくださいました。

日本でやってきたこととは全然違ったけど。

日本とネパールの文化を融合させたモノづくりに意欲を燃やす橋本さん

日本にいるときは自治体の職員として働いていた橋本さん。バックパッカーに人気の地域であるネパールのポカラ市の副市長と活動を1年ほど進めていましたが、日本での経験はあまり活かされる活動ではありませんでした。それでも、他の隊員と地域の課題を整理し、配属先を巻き込む取組を実施したり、ポカラ市の女性の所得向上のためのプログラムのサポートに動いたりと、精力的に活動をされていましたが、新型コロナウィルスの影響で残り半分ほど任期を残しての帰国。

「緊急帰国で中途半端なまま活動を終えることになったので、今後も様々な形でネパールに関わっていきたい」

そんな思いを抱きながら、現在は大学院生とNGO職員の二足の草鞋を履いて知識と経験どちらも積み上げる日々を過ごされています。

会う、話す、笑う。大切なことは広島でも変わらない。

懇親会の様子

報告の後は、第二部として育てる会の会員の皆さんと報告者で懇親会を実施、終始和やかな時間となりました。皆さんがテーブルを囲み、談笑する姿は、私が隊員として過ごしたガーナでの日々と重なりました。
【日本】と【開発途上国】という比較をすると、どうしても異なる点が多く見つかり、時に「異なること」がネガティブに捉えられることもあります。ただ、人と会い、話し、笑うことの大切さはどこにいても変わらないことだと思い出し、ガーナの友人に会いたくなりました。
新型コロナウィルスの影響で、まだ多くの制限がある協力隊事業ですが、今回の交流会は、JICA海外協力隊(ボランティア派遣事業)が、隊員やJICAだけでなく多くの方々に支えられていることを改めて感じる機会となりました。

6月には広島県青年海外協力隊を育てる会の総会が実施される予定です。
実施後には総会の様子もお伝えします。
JICA海外協力隊、2022年度の春募集は5月20日(金)から始まっていますのでぜひホームページをご覧ください。

世界もあなたも、可能性に満ちている。