「アビジャン港穀物バース建設事業」起工式が行われました

2020年2月7日

2020年1月16日、「アビジャン港穀物バース建設事業」の起工式が行われました。式典は、コートジボワールのアマドゥ・コネ運輸大臣、アジュマニ・コベナン農業・農村開発大臣、倉光秀彰在コートジボワール大使臨席のもと盛大に執り行われました。本事業は2011年にJICAが対コートジボワール協力を本格的に再開してから初めての円借款案件として、2017年3月に円借款貸付契約が調印されました。

コートジボワール最大の経済都市アビジャンに位置する同港は、バルク貨物取扱量がサブサハラ・アフリカで最大であり、コンテナ取扱量も西アフリカ最大の港です。また同港は、周辺国を繋ぐ主要道路や鉄道を介してマリやブルキナファソ、ニジェール等のサヘル地域内陸国への玄関口機能も果たしており、同地域の物流のハブ機能を担っています。

しかしながら、コートジボワールやサヘル地域内陸国の人口増加や経済成長が顕著にみられる一方、1980年以降の経済的・政治的混乱の影響でアビジャン港には新規投資がなされず、貨物需要の増大に見合ったインフラ整備が喫緊の課題となっています。特に、岸壁構造物や航路水深の大型船舶への対応、既存インフラの老朽化といった問題があります。

本事業で新たに穀物バースを整備することにより、入港する穀物貨物の平均積載量が約2倍になり、岸壁占有率(注)が約60%に下がると見込まれています。それによりコートジボワールのみならずサヘル地域内陸国の増大する穀物需要に対応し、経済活性化や食料安全保障にも寄与することが期待されます。なお本事業では軟弱地盤や大水深に適した日本ならではの技術が活用される予定です。

(注)船舶が岸壁を使用している時間を100分率で表示するもの。2017年時点では70%を超えており、将来的に物理的限界とされる80%に達すると予測されていた。

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起工式には地元のアーティストによるパフォーマンスも行われた

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スピーチをするアマドゥ・コネ運輸大臣

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ストーンセレモニー(定礎式)に参加する藤野JICAコートジボワール事務所長