フクザワ中学校ハンドボール部奮闘記【その1】『ハ』の字から始めました

2017年7月6日

田中 佑季(2015年度2次隊・体育)

体育授業の充実化、それがフクザワ中学校の初代体育隊員である私の要請内容だ。日本の無償資金援助で建設され、立派な体育館も備えた同中学校に2015年11月初めに配属された。そして、私自身の経験を活かしてハンドボール部を受け持つことになった。ジブチの暑さのせいか部活動の実施期間は1205月の約半年間だけで、練習も週に1回2時間程度。それでも、12月からは2週間に1試合のペースで大会が開かれる。体育教師を主導に毎週の練習に取り組んだものの、さすがに付け焼刃では歯が立たず、1年目の大会シーズンは初戦にして敗北に終わった。

赴任2年目、部活動開始の初日、新チームのメンバーを前に、今年の目標は優勝だと宣言した。選手たちも「おーっ!」と威勢がいい。しかし、彼らのほとんどは、ハンドボールの経験といえば体育の授業のみ。実際、ルールについての質問には珍回答ばかり。唖然とするよりも、私は今後の選手たちの伸び代に期待を寄せた。

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去年の反省を生かしながら、練習メニューや日程を教師と一緒に考えた。私が課題と考えたのは、反復練習の不足とチーム力。練習期間が短いことから、練習日程を週2回に増やし、実戦の中でチームプレイを身につけさせる事にした。特に、選手には相手に何かを要求する時には必ず声を掛け合う事を徹底させ、教師には練習初めと終わりに必ず選手に話をしてもらうようにした。こうしたことを、約1ヶ月続けた。

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いよいよ、3回のトーナメントからなる大会シーズン突入。第1トーナメントの初戦では、ひやひやする場面が何度もあったが僅差で勝利を収め、駒を進めていくにつれ、選手たちがどんどんと力をつけていくのが目に見えた。決勝戦を迎えても、選手達は緊張している様子もない。しかし対戦相手は、会場を沸かせるほどのエースと長身のキーパーを含め選手層が圧倒的に厚いブラオス中学校。こちらは1点目を先取して勢いづくが、途中から相手チームのペースに押され、結果は3対9と完敗。両中学校のレベルの差を認識している私は冷静だった。しかし、ふと選手たちの方を見ると、その場に座り込み涙する選手が何人もいる。驚いた。と同時に、この子たちに勝たせてあげたいと心から思った。

第2トーナメントの開幕。初戦、相手には特に目立った選手はいなかったが、チームに勢いがあった。接戦の末のまさかの敗北で、1回戦で敗退。選手たちには涙もなかった。

【その2】『ハ』の字からの前進 に続く