フクザワ中学校ハンドボール部奮闘記【その2】『ハ』の字からの前進

2017年7月6日

田中 佑季(2015年度2次隊・体育)

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残る第3トーナメントに向けて練習を再開。しかし、選手たちのモチベーションは最悪で、練習に来ない者もいた。教師のやる気すら感じられず、このままでは優勝の目標を叶えるどころか、チームとして成り立たない。と悩んでいる間に第3トーナメントを迎えた。なんとか初戦を突破した後、大差で2回戦を勝ち取ると、選手たちは俄然勢いに乗った。次々と勝ち進み、決勝は再びブラオス中学と合いまみえることとなった。最後の練習の前に、試合の録画ビデオを見せた。どんなプレイをしていて、どこでミスをしているかなど、自分の姿を初めて見る選手達の目は真剣そのもの。また、ブラオス中学校の選手の特徴や攻撃展開をイメージさせ作戦を立てた。いつもの練習にはジャージを着てくるのに、なぜかその日は全員ユニホームを着用してきた。練習中も、自主的に教えて欲しいと尋ねてきたり、選手同士で動きを確認したり、やる気がみなぎっていた。短期間だが、練習や試合を通して随分と成長した選手たちを見守りながら、本気で優勝を願った。

決勝戦当日。ウォーミングアップをする選手たちは、どうも動きがぎこちない。彼らの緊張している姿を見たのは初めてだ。不安が走る。試合開始の笛が鳴る。案の定、選手たちの動きが鈍い。立て続けに3点取られる。タイムアウト後にやっとエンジンがかかったのか、両者一歩も譲らない攻防が続き、前半を4対5で折り返す。まだ勝てる可能性は充分ある。後半開始直後、ペナルティーで相手の7mスロー。ここでキーパーのナイスセーブ。フクザワコールで会場が盛り上がる。いつも冷静なブラオスの選手たちに、焦りの表情が見られる。とは言え、さすが2度も優勝した王者。こちらのリードもすぐに追い越される。それでも、なかなか諦めない選手たち。必死に喰らいつく。速攻を試みる。しかし相手の守りは堅く、点につながらない。相手エースのロングシュートが見事に決まったところで、試合終了の笛が鳴る。7対9。悔しい。しかし選手たちを見ると、すごく爽やかな表情をしている。相手選手の所に行き、お互いの奮闘を讃え合っている。私も清々しい気持ちになり、彼らを誇らしく思う。選手たちは、「今日の試合は最高に楽しかった。」「もっと、試合がしたかったな。」「僕のシュート見た?」など、試合の興奮が収まらない様子。私も教師も、選手たちのきらきらした姿を見てお互いに熱い握手を交わす。

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こうして、3つのトーナメントを合わせて、総合2位のトロフィーと表彰状をもらった。みんなで勝ち取った勲章。優勝という目標は達成できなかったが、期待以上のものを獲得したという満足感をみんなで分かち合った。