理事長メッセージ

日本は、非西洋から先進国となった最初の例であり、伝統と近代を両立させ、自由で平和で豊かな民主的な国を作り上げた、途上国の発展のベストモデルの一つです。

また、日本が政府開発援助(ODA)で重点的に支援してきたアジア諸国は目覚ましい経済発展を遂げており、この成功の経験を基に、現在、他の地域にも援助を積極的に展開しています。こうした経験や知見から、日本は世界の中で開発学をリードする国となり得ると考えています。

「JICA開発大学院連携」では、開発途上国の未来と発展を支えるリーダーとなる人材を日本に招き、欧米とは異なる日本の近代の開発経験と、戦後の援助実施国(ドナー)としての知見の両面を学ぶ機会を提供いたします。
本構想は、日本政府が推進する「明治150年」関連施策の一つとして発足しました。

本構想の下で実施される「JICA開発大学院連携プログラム」は、趣旨に賛同する国内の大学とJICAが連携し、開発途上国から来日した人材が、大学の学位課程の中で専門分野の教育・研究に加え、日本の開発経験(日本の近代化の経験や戦後のドナーとしての知見)について英語で学ぶプログラムであるとともに、これらの人々が日本の歩みを学び、日本を知るプログラムでもあります。
これにより途上国の人材が、体系的に日本を理解し、帰国後に母国の発展に効果的に役立ててもらうことを狙いとしています。さらには、日本で学んだ途上国の人材が、母国で、知日派・親日派のトップリーダーとして活躍し、両国間の関係が中長期的に維持・強化されることが期待されます。

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また、途上国からの優れた人材の受入を通じて、国内の地域活性化や大学教育の活性化、日本でのグローバル人材育成などの副次的効果も狙いとしています。
本構想の趣旨に賛同いただける大学におかれては、積極的に参加いただきますようお願いいたします。

独立行政法人国際協力機構(JICA)
特別顧問(前理事長) 北岡 伸一