2019年4月22日
東京大学公共政策大学院のJICA開発大学院連携プログラム「日本の近代化経験とODA政策」の開講(英語講義)にあたり、その第1回講義として、4月5日、北岡理事長が「近代化の出発点‐明治維新」と題した講義を行いました。
東京大学本郷キャンパスで行われた講義には、公共政策大学院の留学生、日本人学生をはじめ、教職員などを含めて約90人が出席しました。
北岡理事長は、近代化の前提条件としての江戸時代の政治制度と平和の継続からひも解き、19世紀後半の幕府の崩壊と明治新政府の成立、憲法制定、政党政治にいたる近代化の道のりについて紹介し、さらには明治憲法の弱点として、軍の台頭を抑えられる機関の不在についても指摘しました。そして、結論として、石橋湛山に言及し、明治維新とは一連の民主的な変化を伴った一種の革命であったと強調しました。
出席者からは、「侍(武士)階級の廃止について、侍側からの抵抗はなかったのか?」、「西郷隆盛・勝海舟会談が平和的に行われ、江戸城無血開城が実現されるに至った背景は?」などの質問がなされ、活発な議論が行われました。
本科目は、東大側教員6名、JICA側講師6名による、主権国家建設、行政制度・機構、法制度、経済成長、対外経済、ODA(含む、インフラ輸出支援、法整備支援、教育支援)、新興国などの講義で構成されるオムニバス講義として、今年7月まで開講される予定です。