東ティモール国立大学工学部新校舎建設計画の起工式

2018年2月20日

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起工式の様子(中心・青色シャツがアルカティリ首相、その左後ろが南大使)

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学生による「心の友」の合唱

2018年2月20日、無償資金協力による東ティモール国立大学工学部新校舎建設計画の起工式が開催されました。起工式には、アルカティリ首相、グテレス外務・協力大臣、ハンジャム教育文化大臣、南在東ティモール日本大使、モレイラ運輸通信担当開発副大臣、ダ・クルズ公共事業担当開発副大臣、国民議会議員、大学関係者、政府関係者、民間企業の代表、学生、地元住民など、400人を超える多くの方々が列席しました。

東ティモール国立大学は、同国唯一の国立(公立)大学です。東ティモール国は、その戦略開発計画(SDP)の中で、国家開発を進めるための基盤としてインフラ整備と人材育成を大きく取り上げています。同国の高等人材育成は人材育成基金による海外留学と、国内大学の充実で進められていますが、国内大学の教育レベルはまだ国際水準に及びません。工学部の充実は同国の運輸、電力、通信といった基幹インフラの整備や、公教育の充実に重要な位置を占めることから、日本は工学部に対して長きに渡り支援を続けています。東ティモール国独立に前後するタイミングから緊急無償による工学部の施設改修(2001~2003)、専門家派遣(2004年~)、青年海外協力隊員の派遣、そして技術協力プロジェクト(2006~2010、2011~2016及び2016~2021)を実施し、工学部教官の能力向上と教育の質向上に寄与してきています。これらの協力を通じて、工学部は2012年に3年生から4年制に移行し、4学科から5学科へ増設して質的・量的に拡大してきています。しかしながら、校舎、施設については、現在、実験棟の一部を教室として利用するなどで対応していますが、それでも十分な広さが確保できない状況です。

このような状況の中、本事業は東ティモール国の人材育成に対して、技術面に加えてハード面でも支援を行うもので、3階建て校舎や講堂、図書館等の建設と、教育・研究に必要な機材の供与を行います。

アルカティリ首相は、2003年の緊急無償資金協力の竣工式に当時の首相として参加されていました。当時はまだ独立闘争の爪痕が残るキャンパスでしたが、教官や学生に向かって将来を向いて歩いて行こうと語ったエピソードとともに、今日がその実現した将来であることや、工学部は将来を担う若い人々の中心的存在である、ということを述べました。

南大使は、150年前、日本が明治に入った時代、西洋諸国から科学技術について学び、現在では世界の技術をリードする国となった歴史が紹介され、教育や人材育成、特に科学技術分野での発展は、国家の開発の鍵である旨が述べられました。そして、このプロジェクトの成功と、多くの優秀な学生がこの工学部から出ること、この美しい東ティモールという国が平和裏に繁栄と開発を成し遂げることを強く願っていると表明しました。

同大学工学部の初代工学部長は、現在、開発行政改革省の運輸通信担当副大臣、前工学部長は同省の公共事業担当副大臣といった要職を務められています。同学部を巣立っていく学生も、将来、国を担う人材となることを期待しています。

PS:式典では、工学部の学生による合唱が披露されました。歌われた曲は、日本語での「心の友」。東ティモールで最もよく知られた日本の歌で、歌が始まると会場は大きな拍手に包まれました。

【施主】東ティモール国立大学
【コンサルタント】共同企業体 株式会社山下設計 インテムコンサルティング株式会社
【施工業者】りんかい日産建設株式会社
【機材】オガワ精機株式会社