2018年7月12日
2018年7月12日、無償資金協力による東ティモール国立大学工学部新校舎建設計画の一部である機材の譲渡式が実施されました。譲渡式には、マーティンス大学学長、南在東ティモール日本大使、公共事業副大臣、社会連帯副大臣、職業訓練・雇用担当国務長官、協同組合担当国務長官などの閣僚他、大学関係者、政府関係者、学生、100人を超える多くの方々が列席しました。
同無償資金協力事業は、工学部の新校舎の建設及び機材の供与(ロット1:新校舎用、ロット2:旧校舎用)からなり、今回は旧校舎用の機材の到着に合わせて譲渡式が行われました。今回譲渡する機材は、万能試験機、フランシス/ペルトンタービン実習装置、熱サイクル実習装置など39種類からなり、機械工学科、土木工学科、電気・電子工学科、地質・石油学科で使われるものです(ロット1は新校舎建設完了後に供与します)。機材の譲渡に先立ち、オガワ精機株式会社、ほうらいエンジニアリング株式会社、株式会社前川試験機製作所から日本人技術者が派遣され、試運転や工学部の教官に対して機材取扱い方法等の説明がなされました。
式典では、冒頭、マーティンス学長から挨拶があり、2001年から続く工学部への支援への感謝と共に、東ティモールが目指す経済開発とその多様化を進めるためにも人材育成は非常に重要であることが述べられました。
南大使からも、日本の明治維新を例に教育・人材開発の重要性が述べられ、教育は国家建設の基礎であり、教育は若い世代への投資であり、教育は子供たちを成長させる最も力強い手段であることが強調されました。
東ティモール国立大学とオガワ精機との間で機材受領確認の手続きが行われた後、テープカットが行われ、譲渡された機材がお披露目されました。機械工学科、土木工学科、電気・電子工学科、地質・石油学科のそれぞれにおいて、インテムコンサルティングの岡本氏や各学科の教官から機材の説明やデモンストレーションが行われました。
今回譲渡された機材は、これまで東ティモールになかったもの、これまでにない能力のものが多く含まれています。今後、これら機材を使うことになる教官からは、「これらの機材を使って行う実験や研究の構想を持っている。これまで、インドネシアなど東ティモールの外に出なければできなかったことが、自分たちの大学でできるようになり、大変嬉しい。」と言った声が寄せられました。
なお、JICAは工学部に対して、同無償資金協力事業と並行して技術協力事業(東ティモール国立大学工学部能力向上プロジェクトフェーズ2)を実施中です。技術協力事業を通じ、供与された機材を実験や研究で有効に活用できるよう技術的な支援を行うなど、相乗効果が期待されます。
【施主】東ティモール国立大学
【コンサルタント】共同企業体 株式会社山下設計 インテムコンサルティング株式会社
【施工業者】りんかい日産建設株式会社
【機材】オガワ精機株式会社