エジプトにおける新型コロナウイルス感染症対策のための緊急支援-アインシャムス大学病院への気管支鏡と超音波新装置の供与-

2020年12月2日

JICAエジプト事務所は、2020年11月23日、気管支鏡(ペンタックス製)及び超音波画像診断装置(日立製)等をアインシャムス大学に供与しました。

この機材供与は、同大学病院の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応能力の強化に資するものであり、JICAと同大学が共同で実施しているアフリカ向け第三国研修「顧みられない熱帯病の克服」における研修基盤整備として実施されました。供与式典には能化正樹駐エジプト日本国大使、アミン・ナセル財政担当大統領補佐官、タグ・エルディーン保健・予防担当大統領補佐官、ハニ・ヒラール元高等教育大臣、他政府高官が臨席し、大村佳史JICAエジプト事務所長とマフムード・エルメティニ学長が機材供与に関する合意書に署名しました。式典スピーチにおいて、同学長は、自身がJICA帰国研修員(1996年の本邦研修(生体肝移植)に参加)であり、親日派であることに何度も触れ、今後のJICAとの連携強化への強い期待が述べられました。

また、同国でCOVID-19対策委員会の重要メンバーの一人であるタグ・エルディーン大統領補佐官からは、自身が東京医科大学で、世界でも名高い日本の光ファイバー内視鏡検査の技術を学んだこと、さらには自身の保健大臣在任時、2004年の無償資金協力で供与された220台の救急車がエジプトの緊急医療向上に大きく貢献したことへの謝意が述べられました。

大村所長からは、JICAと同大学間における医療分野のみならず、多くの分野でのこれまでの協力関係が紹介され、COVID-19対応に関する同大学と大学病院による多大な尽力について敬意が伝えられました。

供与された機材は、人口2200万人以上のカイロ首都圏の高度医療を担う同大学病院において、COVID-19に対応するために改修されたばかりの呼吸器専用ICUに設置されました。これにより、COVID-19を含む重篤な呼吸器疾患や予後の悪い後遺症の診断及び患者管理が可能となります。また、アフリカ向け第三国研修において、これらの機材は、肺に感染を起こす寄生虫病(「包虫症(エキノコックス症)」等)の診断技術の向上に関する研修にも活用される予定です。

JICAは、エジプトにおけるパンデミックとの闘いの中で最大限の努力を注いている様々な機関との協力を通して、引き続きCOVID-19対策と共に、強靭なユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現を支援していきます。

供与式典の写真

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大村JICAエジプト事務所長(左から1番目)のスピーチ。第三国研修等のアインシャムス大学との連携事業を紹介

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エルメテイニ・アインシャムス大学学長及び大村所長による機材供与合意書の署名

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アインシャムス大学病院の呼吸器専用ICUに供与された気管支鏡(ペンタックス製)及び超音波診断装置(日立製)

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改修され、JICAのロゴを冠したアインシャムス大学病院の呼吸器専用ICU