所長あいさつ

エルサルバドルは、中米の太平洋側に位置し、国境をグアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアと接しています。その国土面積は21,040km2で日本の四国よりやや大きく、人口は約611万人で日本の千葉県よりやや少ない小国です。日本との時差は15時間ある遠く離れた国ですが、働き者の国民性、天然資源を多くは所有していないこと、自然災害が頻発することなど類似点が多くある国です。

エルサルバドルの一人あたりのGNPは3,920ドルであり、近年は産業育成の遅れ、外国投資の低迷などによる低成長が続いており、それに伴う雇用機会の喪失、そして治安状況の改善が大きな課題となっています。このような状況を受けて、250万人のエルサルバドル人が海外に居住しており(うち85%はアメリカ居住)、海外からの送金額はGDPの約16%に相当しています。また、エルサルバドルは災害リスクに晒される人口の割合は世界第3位に位置付けられる自然災害に脆弱な国であり、ハリケーン/熱帯低気圧、地震、地滑り、津波など様々な災害種の危険に晒されています。

このような状況も踏まえて、JICAは、エルサルバドルに対して技術協力、有償資金協力、ボランティア派遣などの協力を展開しており、特に、開発の遅れた東部地域開発の推進、環境保全・防災の協力の推進に取り組んでいます。東部地域開発の青写真を策定するマスタープラン改訂作業のためのアドバイザー専門家派遣、公共事業・運輸・住宅都市開発省気候変動・リスク管理戦略局に対する災害に強靭なインフラ整備GENSAI・地域警察活動を通じた市民の安全保障・小学校1年から中学3年までの算数・数学の指導要領改善を支援するESMATEなどの技術協力プロジェクト、第3の都市サンミゲールのバイパス道路建設のための円借款、災害復旧段階で発生する資金需要を迅速に支援するための災害復旧スタンドバイ借款などを実施しています。また、草の根レベルの開発ニーズに応えるために、保健医療分野、教育分野、スポーツ分野、コミュニティ開発などのボランティアを派遣しています。

また、首都サンサルバドルには、中米統合機構(SICA)の事務総局がオフィスを構えており、JICAは地域協力アドバイザー専門家を派遣しています。2015年10月、JICAはSICA事務総局と中米地域における国境を跨ぐ課題に関して意見交換を行い、物流・ロジステックス、気候変動に対するインフラの強靭化、生物多様性・湿地の保全、ジェンダーなどの重点協力ニーズを確認しました。現在は、協力内容についてSICA事務総局及びSICAセクター機関とともに調査しており、今後は協力の具体化に取り組んでいきます。

2016年は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」に関する具体的な取組方法が、エルサルバドルにおいても検討が開始されています。JICAは、エルサルバドルにおけるSDGsの取組についても、他の開発援助機関と連携しながら取組み、すべての人々が恩恵を受ける、インクルーシブかつダイナミックな開発をエルサルバドル政府及びSICA機関とともに進めていきます。

エルサルバドル所長 藤城 一雄

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