エチオピアで拡がる稲作の存在感

2018年11月29日

11月15日、国立イネ研究研修センター(NRRTC)の落成式典が、松永大介駐エチオピア日本大使、アムハラ州ゲドゥ知事、農業省カバ副大臣、国際イネ研究所(IRRI)、アフリカイネセンター(AfricaRice)らの出席のもと、盛大に開催されました。

JICAとエチオピア農業研究機構(EIAR)は、2015年に開始したエチオライスプロジェクトを通じて、稲作研究開発に取り組んでいます。NRRTCの落成は、稲作振興に取り組んできた日・エ双方のプロジェクト関係者が、長きにわたり待ち焦がれたイベントでした。

エチオピアにおけるコメは、1970年代に導入された比較的新しい作物であり、2000年以降は「ミレニアム・クロップ」とも呼ばれています。近年エチオピアのコメ消費は着実に伸びていますが、国産米だけでは旺盛な需要を満たすことができず、コメ輸入量は年々増加しています。ゲドゥ州知事は、日本の優れた稲作技術を導入することで、国産米の生産を拡大し、ひいては、エチオピアが東アフリカの新たなコメ生産国となることへの強い意欲を示しました。

NRRTCが位置するフォガラ平原は、雨期には農地が水没するため、テフや小麦といった畑作物の栽培ができずにいました。稲作の導入により、雨期の農地を有効活用することが可能となり、この地域の農家の生計は大きく改善されました。フォガラ平原は、今ではエチオピアの稲作の中心地として知られています。

これまでエチオピアでは、35のイネ改良品種(天水畑地向け15品種、天水低湿地向け11品種、灌漑稲作向け9品種)を作出しています。松永大使は、「NRRTCを拠点に、エチオピア各地で、育種、栽培技術開発、収穫後処理、マーケティング、農業機械化などの分野で、更なる研究活動が展開されることを期待します」と述べました。

エチオピアの食文化にコメを取り入れることへも、関心が高まっています。落成式典のサイドイベントでは、米粉入りインジェラや、コメから作られたアラケ(蒸留酒)が振る舞われました。プロジェクト専門家も、ポン菓子作りをその場で実演し、新たなコメの食べ方として提案しました。

エチオライスプロジェクトは2020年11月まで続きます。JICAは引き続き、エチオピアの稲作支援をリードしていきます。

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松永大使とゲドゥ知事によるテープカット。

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19品種のコメを試食。

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コメからつくられた製品や稲作研究について説明を受ける参加者。