JICAによるエチオピアの算数教育への協力

2019年5月23日

世界的にみて、日本の学生は算数と理科の高い学力水準を維持しています。日本は科学技術や工学・数学といった分野の教育に重点を置いており、そのことはイノベーションを生み出す源泉となっています。

イノベーションは経済発展の鍵となるものであり、ひいては雇用を生み出し、人々の生活水準を向上させるものです。そして、それらはまさに発展途上国から求められているものでもあります。世界の人口の急増やグローバル市場での競争激化といった状況のなか、エチオピアのような新興国は国民の教育を推進し、発展していくための能力を身につけさせようとしています。

各種の調査によれば、エチオピアの学生の算数の学力はあまり高くありません。そうしたなか、エチオピア政府はJICAとともに理数科教育の向上に取り組んでいます。これまでJICAは「理数科教育改善プロジェクト(略称:SMASSE)」や「理数科教育アセスメント能力強化プロジェクト(略称:LAMS)」といったプロジェクトを実施し、小学校高学年から中学校にかけての理数科教育の改善に努めてきました。

今回、算数の学力向上のため、JICAは「科学技術のための算数・数学理解プロジェクト(通称:MUST)」をスタートしました。このプロジェクトは、教員の指導方法の向上に加えて、分かりやすい補助教材も開発し、学生の算数への理解を促進するものです。プロジェクトでは、4つの州(アムハラ州、アファール州、オロミア州、南部諸民族州)の小学生と中学生を対象として、補助教材の開発を進める計画です。

日本人専門家は現行のカリキュラムや教科書の分析を進めており、改善のアドバイスも行っています。エチオピアの教員も、自分たちの地域の学生がより分かりやすいようにする教材の改善に参加する予定です。今後各州で4校がパイロット校として選ばれ、教材の評価が行われます。このプロジェクトが終わる2023年の夏には、今よりもさらに良くなったエチオピアのカリキュラムのもと、開発された分かりやすい補助教材が広く活用されることを目標にしています。

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このプロジェクトは以下のSDGsの実現に貢献します。

  • 目標4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
  • 目標17 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

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