中小企業向け研修講師の養成を目的に「ビジネス・マーケティング研修」が始動

中小アグリビジネス企業のためのビジネス・マーケティング研修の講師を育成

今回行われた「ビジネス・マーケティング」の講師養成研修は、基本的なビジネスオペレーションに関する能力が不足しているガーナ国内の中小アグリビジネス企業をアグリビジネスユニットが自立的に育成するため、ビジネスやマーケティングのノウハウをJICA専門家が研修を行い、講師の養成を図るものです。

ビジネス・マーケティング研修は、無駄を省き効率化を図るための「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」、企業経営において必須の視点である「会計」、「マーケティング」、アグリビジネスに関する企業活動を行うための「生産管理」、「資金確保」や「原料調達」、そして、アグリビジネスユニットの職員が自立的に研修を実施するのに必要な「ファシリテーションスキル」や「教材作成」などの研修科目によって構成されており、各分野の専門家をJICAから派遣しました。

「5S」では、JICA専門家による理論の説明だけでなく、アグリビジネスユニットの職員を中心とした10名のチームが、ガーナの首都アクラ郊外にある小規模な飲料メーカーを訪問し、実践型の研修を行いました。メーカー従業員にアグリビジネスユニット職員が講義を行うと同時に、実際に従業員とアグリビジネスユニット職員が一緒になって体を動かし、その場にあるものを使い創意工夫を重ねることで、整理・整頓・清掃などの考え方を体感し、どのようにムダを省く形で事業の効率性を高め、利益を生み出すのか、ということを学びました。

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5S研修実施前

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5S研修実施後

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5S研修実施前

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5S研修実施後

「マーケティング」では、効果的な販売戦略を立てるために、マーケティングの基本的な理論を4P(Product/Price/Place/Promotion)を中心に学びました。そのうえで、「5S」の実践で訪問した飲料メーカーをケーススタディとして、アグリビジネスユニットの職員を対象とし、ビジネスの課題を4P視点で検討し、解決策を考えるワークショップを行いました。

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「会計」では、JICAの「小規模農家機械化促進プロジェクト」の企業向け会計研修コンテンツを取り入れながら、講師独自の経営と会計に関する教材をあわせて活用し、研修を実施しました。

また、本研修の中で、アグリビジネスユニットが担う研修プログラムのブランド化やアグリビジネスユニットの「価値」を高めることを目指し、研修プログラムのロゴを制定しました(写真4)。本ロゴは、アグリビジネスユニットが行う中小アグリビジネス企業向けの研修プログラムで使用されるとともに、広報活動などにも活用していきます。

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研修から自立した実践へ

本研修で得た知識・経験を踏まえ、今後はアグリビジネスユニット職員が、実際にガーナ国内の各地域に赴き、研修講師として地方の中小アグリビジネス企業に対して研修を行い、ガーナのアグリビジネスの成長に寄与していきます。