ガーナ人と作り上げたGlobal Handwashing dayイベント

2017年2月6日

【画像】

イベントに関わった保健局スタッフと担当CHO達

氏名:田中 今日子
隊次:2014年度4次隊
職種:公衆衛生
任地:ブロング-アハフォ州ジェマ
出身県:長崎県

毎年10月15日は世界手洗いの日。
ここアフリカでは、手洗いをしっかり行えば、防げる病気が多数あります。
特に問題なのは、5歳未満の子どもたち。
日本と違い、医療環境、衛生環境がよくないところでは、下痢が原因で亡くなることも少なくありません。
そのため私の任地では、特に5歳未満の下痢症患者が多い地域で、手洗い普及のためのイベントを開催しました。

イベント開催に向けて私が一番意識したのは、「ガーナ人主体で進めていくこと」。
正直、自分で全て進めてしまう方が楽です。しかし、今後の継続性を考えると、自己満足だけで終わらせたくないという気持ちがありました。そのため、私は提案や確認までにとどめたサポートをし、最終決定はガーナ人に委ねていました。
まず、何事も行動に移すには、その人に訴えかけるようなインパクトが必要です。そのため、私は5歳未満の下痢症患者の割合を数字化し、亜郡毎に比較した表を作成。それが功を奏したのか、保健局担当者も、地区担当CHO(Community Health Officer)も、コミュニティリーダーたちも、自分の地区の患者数が多いのを見て、危機意識を持ってくれました。また、保健局担当者から「tippy tap(簡易手洗い場)のデモストをしたい!」と提案もあり、保健局担当者を中心にイベント開催の話をコミュニティにすることができました。
保健局担当者から地区担当CHOへ、地区担当CHOからコミュニティメンバーへ話をし、意見を出し合った事でそれぞれの責任感が明確になり、イベントに向けての意欲が高まったのではないかと思います。
ただ、ここはガーナ。
計画がスムーズにいくわけもなく、日本では考えられないような問題に直面しました。

1)お金
上司からの積極的なサポートはなく、燃料費がないと公用車も使用できません。そのため、現場へはいつも自腹で行き、印刷などは首都にあるJICAオフィスで済ませました。自腹でも現場に向かう保健局担当者のやる気に、脱帽です。

2)条件の悪い環境
対象地区は配属先から約1時間離れた場所。その地域までの道路は赤土のでこぼこ道で、雨が降ると道路が水没。また、通信事情も悪く、駐在している担当CHOとの連絡も密にはできませんでした。

3)ドタキャンの危機
当日に至るまで幾度とある開催の危機。一番あきらめかけたのは、開催日前日夜の事。前日にコミュニティメンバーも含めた最終打ち合わせを済ませたのにも関わらず、コミュニティリーダーからの突然の日程変更の依頼。夜だったため直接話すことができませんでしたが、担当CHOが頑張って元の日程で行うよう説得してくれました。

4)ガーナ人の気質
突然の予定変更は通常の事で、日本のように予定が予定通りに進む事はないに等しいです。さらに、焦燥感もなく、「Don’t worry」を繰り返す。開始時刻が大幅に遅れていても、会場の準備が全くできていなくても、そんなことは気にしないし、焦りません。結局、予定開始時刻の3時間後に開始しました。

その他にも、ここでは書ききれないほどの多くの壁にぶち当たりました。
しかし、土壇場で何とかなるのがガーナの良いところ。一人一人がこのイベントに意義を持ち、責任感を持ったため、無事に開催できたと思います。実際私が知らないところで、保健局担当者は市役所やNGOに足しげく通い、スタッフのための差し入れや燃料費の協力を得ることができましたし、担当CHOもコミュニティメンバーとの調整はもちろんの事、石鹸会社に相談し、参加賞の石鹸まで無料で手に入れることができました。

時にはぶつかり、失望し、もどかしい思いもたくさんしましたが、最後には一緒になって笑っている。こんなに素敵な経験をさせてくれたスタッフには、感謝の気持ちでいっぱいです。スタッフには、この経験を活かしてもっといろんな事に取り組んでいってほしいなと思います。

【画像】

保健局担当者が担当CHOへ現状を説明

【画像】

担当CHOがコミュニティメンバーに現状を説明

【画像】

コミュニティメンバーと下痢が多い原因について話し合いました

【画像】

最終打ち合わせの様子。コミュニティメンバーにtippy tapの作り方を説明。

【画像】

住民による下痢に関する寸劇

【画像】

隊員が正しい手洗い方法について説明

【画像】

保健局担当者によるtippy tapのデモスト