活動を振り返って

2017年8月30日

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ヘルススタッフ・地域住民と、後任の神谷ボランティアとの顔合わせ・引継。

氏名:那須 裕子
隊次:2015年度1次隊
職種:保健師
任地:アッパーウエスト州ランブシエ郡
出身県:宮崎県

(那須隊員は2017年7月末にて2年1か月の任期を終了し帰国しました。)

長いようであっという間に過ぎていった2年1ヶ月の活動を振り返りたいと思います。
私の任地であるアッパーウエスト州ランブシエ郡は、首都から約800キロメートル離れた北西部に位置し、州都(Wa)からも、トロトロ(乗り合いワゴン車)で約2.5時間かかる僻地にあります。車で30分程行けばブルキナファソとの国境です。
アッパーウエスト州は妊産婦死亡率・乳幼児死亡率がガーナ国内の他地域と比較しても高く、ボランティア派遣だけでなくJICAも2006年より継続して地域保健や母子保健の強化プロジェクトを投入し継続支援しています。特に農村部ではインフラが整っておらず、基本的保健サービスへのアクセスが困難であるため、無償資金協力によりCHPS(Community Based Health Planning and Services)という、保健施設(ランブシエ郡内には7ヶ所の新CHPS)が建てられました。医師はおらずCHO(Community Health Officer:地域保健師)などヘルススタッフが駐在し、地域に根付いて地域全住民の健康面をサポートしています。

私の活動は、このCHPSを巡回し乳幼児健診の補助、母親学級・栄養教室では、CHOとともに健康教育や啓発活動を実施。妊婦自身の知識不足や家族の理解不足、インフラ面など様々な問題から自宅出産に至るケースが多く、施設出産や妊産婦健診の継続受診の重要性などについて、地道な健康教育を行いました。任地は特に男性優位の地域社会です。日々の生活や活動の現場から、男性も巻き込んだ健康教育の必要性を痛感し、Pregnancy class(母親学級)に父親の来所を促し、数人ではありますが来所してもらうことができました。視覚教材を用いて胎児の成長過程や妊婦の身体的変化など健康教育を実施後、男性に妊婦体験ジャケットを着用してもらい、任地で見かける妊婦の日常動作(背中に乳幼児をおんぶし、頭上にたらい等をのせて運ぶ等)を体験してもらいました。男性からは「腰に負担がかかって大変」といった感想が多く、「これからは、妻をサポートしていきたい」という意見も聞かれました。その後、飛躍的に男性の行動変容が見られたわけではありませんが、中には「夫が木を運ぶのを手伝ってくれた」という意見も聞かれ、僅かではありますが男性の理解を得ることに貢献できたのではないかと感じました。また、離任前に母親学級に継続して通っていた地域の人々へお別れを伝えに行った際、「妊婦体験ジャケットを自分の夫に体験してもらえて良かった」と言ってもらえたことは自分の活動が少しでも役に立てて良かったと思えた瞬間でした。

なかなか思うように活動が進まず悩んだり焦ったり落ち込んだ事もありました。でもいつもサポートしてくれるのは周りのガーナ人であり、フィールドでは母子の笑顔に元気をもらいました。保健師の原点に戻り母子保健の面白さを再確認することもでき、今後はガーナで学んだことをもとに、更に学びを深めていきたいとも思っています。ガーナでの様々な経験や学び得たことを胸に更に前進していきたいと思います。ありがとうございました。

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母親へ栄養についての健康教育

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男性(夫)への妊婦体験。まずはCHOが妊婦体験ジャケットを着用。

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妊婦体験ジャケットを着用し、床の物を拾う体験。隣の女性は男性の奥さん。

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未婚の男性も一緒に来てくれ、CHOから胎児の成長過程の説明を興味深く聞いてくれました。

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この時の気持ちを忘れて欲しくないと思い、妊婦体験ジャケットを着用し夫婦の記念写真。

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この時の気持ちを忘れて欲しくないと思い、妊婦体験ジャケットを着用し夫婦の記念写真。

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家族がガーナに来てくれた際、母親学級と妊婦体験の実際の活動を見てもらえました。