視聴教材を有効活用!−ろう学校でのICT教育−

2017年9月20日

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全員の動き、手話が見えるように机をU字型に配列して行う授業の様子。

氏名:濱田 茜
隊次:2015年度2次隊
職種:障害児・者支援
任地:ノーザン州サベルグ
出身県:大阪府

(濱田隊員は2017年9月末にて2年の活動を終了し帰国しました。)

今回は私の2年間の配属先での活動について、紹介させていただきます。

私の配属先はガーナ北部に位置する、全寮制のろう学校です。そこで、UpperPrimary(小学部4〜6年生)とJHS(中学部0〜3年生)を対象に、ICT(Information And Communication Technology)の授業を担当し、パソコンの基本的な操作方法を中心に教えました。生徒たちは耳が聞こえないため、授業はすべて手話で行われます。ガーナではアメリカ手話をベースとした独自の手話が使用されており、日本の手話ともまったく異なるため、コミュニケーションを取れるようになるまでに時間がかかりました。

この2年間を通して、強く感じたことは、「手話で教えることが彼らにとっての特別な支援ではない」ということでした。耳が聞こえない子どもたちにとって、手話はコミュニケーションツールに過ぎず、学習の理解を深めてもらうには、さらにプラスした工夫が必要でした。では、彼らにとっての特別な支援とは何なのだろう。どのような工夫が必要なのだろう。試行錯誤を繰り返したくさん失敗した2年間でしたが、そのような中で、もっとも意識したことが、視覚教材の充実でした。

ガーナの学校では教員が教科書の内容を黒板に書き写し、生徒がそれをただノートに写すという授業スタイルが少なくありません。原因として、多くの生徒が教科書を持っていないこと、学校ごとに充てられる教材費が充分ではなく、プリント教材を配布できないこと等が挙げられます。学習する上で、目で見てわかる情報というものがとても大切であり、ろう学校である私の配属先では特に重要となります。

幸運なことに、私たちの学校には寄付されたスキャナー、プロジェクターがありました。しかし、ICTの授業で使用されるのみ、スキャナーにいたっては箱に入ったままで眠っている状態でした。そこで、ICT機器を授業で有効活用しようと、同僚を対象にしたパソコン教室を行いました。最終的に、ICT担当の教員以外も教科書や卒業試験をスキャナーで読み込み、プロジェクターで映して授業で使用することができました。他にも、インターネットから授業に関わる画像や動画をダウンロードして生徒に見せるという作業をこなせるようになった同僚もおり、ICTの視覚教材を使用する一歩を踏み出すことが出来たと感じています。

うまくいかないことも多かったですが、そのような経験も含め、生徒のことを考えられる大切な時間でした。また、同僚がパソコンをはじめとしたICT機器に興味を持ってくれ、それらを教材として活かすために協力できたことがとても嬉しかったです。この2年間で、こつこつと積み上げた小さなことが、彼らのこれからに少しでもつながれば幸いです。

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パソコン教室で、ICT教材に興味を持った同僚が動画の作成を学んでいます。

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マウス練習の様子。3〜4人で1台のパソコンを使用するという環境ですが、イラスト等をうまく使うと興味を持ち、集中してくれます。

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小学生は毎授業でタイピング練習を行うようにしています。

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教室でプロジェクター、パソコンを使用する際はセッティングを生徒に行ってもらいました。

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理数科キャラバンでのべっこう飴の実験の様子。目で見て楽しい実験は生徒たちにも大好評でした。