ガーナで活かす『公文式レッスン法』

2017年10月18日

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修了証書の受領式

氏名:山本 路子
隊次:2015年度4次隊
職種:PCインストラクター
任地:ノーザン州タマレ
出身県:千葉県出身

「Madam Michi, Madam Michi!!」学生が私を呼ぶ声を聴いて、私はその学生のところに急いで向かう。その学生が自慢げに見せてきたExcelのファイルをじっくりと確認し、ちゃんと課題の表を作れていたので「Excellent!」とちょっと大げさに褒めた。そして彼の課題用紙に花丸を付け、次の課題を渡す。すると学生は満足げな顔になり、すぐに画面を新しいExcelシートに切り替え、早速次の課題に取り掛かる。ここパソコン室では毎週金曜日の午後、10数人の学生たちがExcelの使い方を学んでいる。すらすらとタイピングできる学生もいれば、一本指で一つ一つキーを慎重に押していく学生もいる。自分たちのペースで、それぞれのレベルにあった課題に黙々と取り組む。ここでは、日本の『公文式法』で個々がパソコンの練習に取り組んでいる。

これは私の活動の一つである、パソコンクラブの様子である。私はガーナ北部にある教員養成校で、PCインストラクターとして活動している。私の学校では、情報科目“ICT”(Information and Communication Technology)の授業は理論ばかりが重要視され、パソコンの実技の時間があまりにも少ない。そのため学生の空き時間にこのクラブ活動を行っている。ここではWordやExcelの基本的な使い方を教えている。書類上は100人以上のメンバーがいるが、常に来てくれるのはこの10数人である。

彼らのパソコンスキルの差はとても大きい。ブラインドタッチ(タッチタイピング)をできる学生もいれば、キーを一つ一つ探しながらタイピングする学生もいる。活動当初のレッスンは、パソコンがあまり使えない学生にスピードを合わせていたため、ある程度使える学生にとっては暇な時間ができてしまっていた。「学生一人一人が自分のレベルにあった課題を、個々のペースで進めていけるようなやり方はないか…」と考えて、思いついたのがこの『公文式法』である。

最初の20分で新しいツールを紹介し、残りの40分は練習問題(課題作成)に個々で取り掛かる。練習問題は課題1〜3の全部で3つ。課題1が一番簡単で、次に進むにつれて次第に難しくなっていく。学生はこの課題が出来上がったら私を呼び、チェックを受ける。合格であれば花丸をもらうことができ、次の課題に進める。不合格であれば、間違った箇所を修正してから次の課題に進む。

この『公文式法』を取り入れてからは、学生それぞれが自分のペースで課題に取り掛かることができ、また暇そうにしている学生もいなくなった。学生自身の満足度も上がったように思う。たまに眠たそうにしている学生もいるが、その時は大げさに褒めて目を覚まさせ、やる気を出させる。『褒めてのばす』のは私流の進め方だ。彼らも普段褒められることがあまりないためか、褒めると得意げに笑う。先学期には、最後まで来てくれた10名の学生に修了証書を渡した。その証書をもらった時の彼らの嬉しそうな顔を見て、最後までクラブ活動をやってよかったと心の中で思い、私自身も大きな達成感を感じることができた。

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真剣に課題に取り組む学生たち

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パソコン以外に日本文化も紹介する。この日は折り紙を皆で体験