教師自身が楽しいと思える授業を目指して

2018年1月1日

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どの先生もとても意欲的に参加してくれました。

氏名:工藤 慎吾
隊次:2016年度1次隊
職種:小学校教育
任地:アッパーイースト州ナブロンゴ
出身県:神奈川県出身

前回の記事では、理数科分科会のメンバーと協力して実施した大規模なワークショップについて紹介しました(詳しくはDemonstration Lesson Workshopをご覧ください)。そこで、今回は日常の活動の一端をお伝えします。

私の周りのガーナの先生はみんな、教材を使った授業が大切だということは分かっています。しかし残念ながら、時間。お金、経験が不足しているため、授業はほとんど板書と先生のトークです。そこで私は「教材作りワークショップ」を行うことにしました。2時間のワークショップでは、集まった先生方と一緒に数種類の教材を作ります。1回あたりの参加者は5人程度、私一人が対応するのにはちょうどいい人数です。ペットボトルや蚊取り線香の空箱、木の枝などの材料は事前に連絡し、先生自身に持ってきてもらうことにしました。以下は、小学校1年生の担任向けワークショップの様子です。

まず、時計の模型を作りました。日本の学校では、教材室や算数セットの中に必ずといっていいほどあるものですが、ガーナにはありません。丸く切った紙に数字を書き、正方形の蚊取り線香の箱に貼り付けます。時計の針も箱の切れ端で作ります。画びょうと消しゴムを使い、針を固定します。すると、針を自由に動かせる時計の模型ができます。先生が子どもたちに「これは何時何分?」と問題を出したり、先生の「何時何分を見せてごらん。」という問いかけに対して、子どもがやってみたりすることができます。気に入った先生は、1個ではなく何個も作っていました。

次に作るのは、体の部分の名前を書いたポスターです。絵を描くのが苦手な先生方も多いので、型紙を用意しました。型紙をなぞることで、どの先生方も満足のいく人間が描けました。透明テープを貼った上に、ホワイトボードマーカーを使って”head”や”hand”などと答えを書くことで、何度でも消して書くことができます。これは先輩隊員の知恵を参考にしました。

外に落ちている木の枝を使って、簡単なてんびんも作りました。見た目は少し不格好ですが、ものの重さについてはきちんと比べることができます。

「1」~「9」までの数字のカードを2枚ずつ作って、ゲームもしました。作ったカードを裏返して机に並べ、1人ずつ順番にカードを2枚めくります。2枚の合計が10だったら、1ポイント。日本の神経衰弱の変形版です。1枚カードをめくったところで、次は何のカードが出ればいいのかを考えさせることで、10に対する補数(足して10になる数)の定着につなげます。負けず嫌いが多いガーナ人、大人がやってもとても盛り上がります。当てることができた先生は、子どものように飛び跳ねて喜んでいました。

終了後は、自分で作った教材は学校に持ち帰るのですぐに授業で活用することができます。同じワークショップを6つの地域で実施しました。次は、紹介する教材を変えて小学校2年生の担任向けのワークショップを計画しています。ガーナの先生に「工夫すれば身近な材料で教材が作れること」「そういった教材を作って、活用する楽しさ」を感じてもらい、少しでも授業改善につなげていってもらいたいと願っています。

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型紙をなぞると、だれでも簡単に人間が描けます。

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てんびん作りのポイントは、つりあうように位置を調整することです。

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蚊取り線香の箱を使った時計の模型。

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てんびんの材料は、木の枝と糸、プラスチックコップです。

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透明テープとホワイトボードマーカーで書くと繰り返し使えます。

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足して10になる数を当てる、算数のゲームです。