ガーナの障害者支援NGOと歩んだ日々

2018年2月1日

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Voice Ghanaのスタッフたちと

氏名:上野優歌
隊次:2015年度4次隊
職種:コミュニティ開発
任地:ボルタ州ホ
出身県:大阪府出身

私は、ガーナの東部に位置するボルタ州の州都ホのNGOでコミュニティ開発隊員として活動をしています。配属先は、Voice of People with Disability Ghana(通称Voice Ghana)という障害者による障害者のためのNGOです。障害を持つすべての人が、社会の一員として暮らしていくサポートをしています。自助グループの運営やリーダーシップ育成、アドボカシー、収入向上支援などの面からのサポートが中心です。活動範囲は主にボルタ州全土で、時には片道3時間以上かけて、毎日村々を巡回しながら各プロジェクトの運営を行っています。

私はフィールドチームの一員として、フィールドオフィサーである同僚のサポートをしています。これまでさまざまなプロジェクトの運営に関わってきましたが、Mental Health and Development Programmeという精神障害を持つ人たちを対象としたプロジェクトでは、ガーナ保健局のメンタルヘルスナース達とともに村を訪れ、これまで医療機関にアクセスできていなかったうつ病や統合失調症、てんかん等を持つ人たちを治療につなげる「アウトリーチクリニック」を運営したり、精神障害についての正しい知識を広めるための「啓発活動」などを行ったりしてきました。またStronger Voice Projectでは、コミュニティの中から障害者の問題に関心を持つ地域のリーダーを”Inclusion Ambassadors”に任命し、彼らとともにコミュニティミーティングを開いて地域の問題や障害者のニーズについて話し合ったり、郡役所のオフィサーたちとの対話の機会を作ったりしてきました。

私はVoice Ghanaの初代JICAボランティアです。配属された当初は配属先の活動状況やボランティアに求められている役割など、すべてが手探りでした。またコミュニティでの活動は、ほとんどが現地語のエヴェ語で行われるため、エヴェ語がわからないとコミュニティミーティングに参加してもどうしても「外部者」という立場になってしまったり、オフィスでも同僚たちの会話についていけなかったりし、できる仕事に限りがありました。そのことが悔しく、派遣当初からお世話になっていた現地語の先生にお願いしてエヴェ語を猛特訓し、少しずつオフィスやフィールドでの仕事がわかるようになっていきました。

ガーナでは、福祉の現場でNGOが果たす役割はとても大きいと感じています。NGOが市民団体として、障害当事者、コミュニティの人々、さまざまなアクターをつなぎ、課題に対して取り組む場づくりをしています。ガーナでは働きかけによってはwelcome!の精神で何でも受け入れ、とりあえずやってみよう!という前向きな姿勢がみられることも多く、その姿勢に学ばされることはたくさんあります。一方で勢いだけで始めると、スケジュール通りにプロジェクトが進まなかったり、思わぬ障壁がでてきたりと思うようにいかないことも頻繁にあります。しかしガーナ流の少しずつ(small small)何かを前に進めていくという経験を通して、多くのことを学びました。

2年間の活動も終わりに近づいた今、“ボランティア”として求められていたことはなんだろうと考えた時、現地の人たちや彼らのやり方にとことん巻き込まれながら、同じ方向を向いて同じスピードで一緒に歩んでいくことではなかったかと感じています。そのプロセスではきっと価値観の違うもの同士、お互いにストレスや葛藤もあったと思いますが、そうして一緒に切磋琢磨した時間が、草の根レベルで人の生活に密着した仕事をするNGOや障害者グループの発展に、少しでもつながっていってくれればと願います。3月の任期終了まで残り少ないですが、彼らとの時間を大切に少しでも配属先の活動に貢献し、帰国の日を迎えたいと思っています。

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Mental Health and Develop Programmeのアクティビティの一つ、村にてエヴェ語でインタビュー調査を行う

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普段は病院やヘルスセンターにいるメンタルヘルスのナース達と一緒にコミュニティに出向き、薬の処方などのアウトリーチクリニックの運営を行う

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州都から車で5時間ほど離れた村の、障害者グループとのミーティングの様子

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Stronger Voice Projectで訪れた郡役所のオフィサーたちと