未来のガーナを支える子供たちのために-ガーナの学校給食-

2018年2月28日

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野外キッチンでの給食準備風景

氏名:桐野 智美
隊次:2015年度4次隊
職種:栄養士
任地:ノーザン州タマレ
出身県:鹿児島県出身

ガーナ北部は貧困層の多く、子供たちや妊産婦の栄養失調や貧血の割合が高い地域です。乾燥したサバナ気候のため、農作物も十分に採れません。特に乾季の食糧問題は大きな課題となっています。

そのような地域で、私は栄養士として配属先の国連世界食糧計画(WFP)にて、子供や授乳婦の栄養失調予防のためのプロジェクトに関わっています。今回は、その中の一つである学校給食栄養調査について報告します。

ガーナは、政府が2005年よりGhana School Feeding Programme(GSFP)を実施し、小学校の給食支援を行っています。WFPは2006年よりこのプログラムのサポートを行ってきました。対象校には食材調達担当者が派遣され、週5回児童らに学校給食が提供されます。この学校給食の目的は、1)栄養失調の防止、2)就学率、出席率の増加、3)国内食料生産の促進です。

今回、WFP及び関係機関のスタッフと共に、ノーザン州、アッパーウエスト州、アッパーイースト州の北部3州で合計161校の学校を調査しました。アンケートを用い、校長先生、食材調達担当者、調理担当者、そして児童らにインタビュー形式で情報を集めます。給食についてだけでなく、衛生環境、児童の成績、先生のパフォーマンスなども含めた様々な情報が集められました。私はその中の給食に関する情報を抽出し、栄養価を分析し比較しました。ガーナでは、1日に必要な栄養の30%を学校給食から摂取することが推奨されています。分析結果によると、エネルギー、たんぱく質、ミネラル類が目標値を下回っています。油はどの給食にも十分含まれており、逆に過剰摂取の恐れのある学校もありました。どの学校も肉や魚、卵、乳製品など動物由来の食材はほとんど使用されておらず、野菜は玉ねぎとトマト缶のみ。学校によっては野菜が入手しやすい雨季のみ、緑の葉野菜やフレッシュトマトを使用することもあるようですが、基本的に乾燥した土地で水も十分にない地域が多いため、安定的に野菜を使用することは不可能なようです。スクールガーデニングに取り組んでいる学校もありましたが、給食の栄養を改善するまでには至っていないようでした。成長の著しい学童期は、さまざまな種類の食品からいろいろな栄養を取る必要があります。そのため、使用食材や食材料について改善をしていかなければいけません。また、水道設備、キッチン設備、食材保管庫、食器類も十分に整っていない学校が多く、様々な面からのサポート、改善が必要であることがわかりました。

これらの結果を広く発信し次のステップに進むため、政府やUN、NGOなど各関係機関を招待して報告会を開催しました。多くの人々が参加してくださり、日本の大使館や民間企業の方々も見えられ、積極的な意見交換ができました。今後、安全で適切な学校給食を実施していけるよう参加者と話し合い、協力して改善していくことを取り決めることができました。ガーナの将来を担う子供たちが適切な成長を遂げられるよう、今後も粘りつよく改善を続けていければと思います。

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インタビュー調査の様子

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訪問した学校の子供たちと

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給食のジョロフライス

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調査チームと共に調査結果を報告