所長あいさつ(2021年4月)

2022年5月11日

『毎日18時になると「グアテマラは君の翼の中で幸せに包まれる」で始まる独立と国鳥ケツァルを讃える4分30秒にも及ぶ国歌が近所のどこからか聴こえてくる。テレビやラジオで放送される夜間外出禁止開始の合図である。コロナ禍グアテマラの風物詩になっている。3月以来、一部の業種を除くショッピングセンターの営業停止、持ち帰り・配達以外の飲食店営業禁止、バス運行停止、国境閉鎖、国際旅客便停止、集会の禁止、夜間外出禁止、県を跨ぐ移動禁止、日曜日終日外出禁止、ナンバープレート末尾偶数奇数別走行制限など、新型コロナウィルス(以下、「コロナ」)感染拡大を防ぐための措置が大統領令により矢継ぎ早に打ち出されてきた。国歌放送は忍耐と連帯を訴えるものである。』

これはコロナ禍初期の2020年6月頃のグアテマラの様相を筆者が切り取ったものです。当時は感染者が一桁から二桁、遂には三桁に上昇して行き、皆が数字に一喜一憂していました。7月には新規感染者数は1000人を超え、以降、三桁後半前後で高止まりしながら現在に至っています。
3月から6月にかけて、海外協力隊員、インターン、企画調査員は順次退避帰国となりました。企画調査員や技術協力専門家は戻りつつありますが、海外協力隊員の再派遣については、グアテマラの医療状況や配属先個別の状況を確認しつつ、調査を進めているところです。
グアテマラ事務所では、感染防止に最大の配慮をしながら、業務を継続しました。むしろ、現在の状況をチャンスと捉え、事務所主管でできるフォローアップ事業を活用し、帰国研修員とともに事務所現地職員が「自分のプロジェクト」として推進してきました。現地職員は熱意と責任感をもって職務を全うしました。
2021年度はコロナと共存しながらも、効果的な事業実施を目指して励んでいく所存です。

2021年4月8日
グアテマラ事務所長
山口尚孝