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生の英語から開発途上国の課題を考える深い学びへ ~協調学習による英語の授業~

2019年11月14日

南アフリカの方と一緒に写った写真を見せながら説明する徳武先生

南アフリカの方々の生の声を英文で読み込む

3人で情報を持ち寄りジグソー活動に取り組む生徒たち

「お金があればいいかって、違うよね? 開発途上国の未来のために大切なことを、南アフリカの方々の声から考えてみよう」
教室でこう呼びかけるのは、埼玉県立川口東高等学校の徳武 知征(とくたけ・ともゆき)先生です。

徳武先生は、埼玉県教育委員会とJICAとの連携事業により、青年海外協力隊員(短期)として理科の先生2人とともに、2019年8月に1か月間南アフリカへ派遣されました。現地では、理科教育振興のために現地の公立学校や科学館を巡回し、子供たちや指導者向けに様々な科学実験を実施。この時、寝食を共にした南アフリカ人の生の声をもとに、徳武先生自身が感じた南アフリカの現状と課題を、高校2年生に英語を使って考えさせる授業を行いました。

授業では埼玉県教育委員会が東京大学CoREFユニット(注1)と連携して展開する協調学習の「知識構成型ジグソー法(注2)」も活用しました。
”What is the most important thing for the future of South Africa?”(開発途上国の未来のために大切なこととは?)という問いを中心に1時限の授業を構成。その解を、最初は生徒一人で考え、次に南アフリカが抱える課題について語る、徳武先生と共に活動した現地スタッフ3名の生の声(英文)を3グループに分かれて読み込み、その後各グループから1名ずつが集まってそれぞれに理解した内容を共有(ジグソー活動)し、学びを深めていきました。

前時までにSDGs(持続可能な開発目標)を学習していた生徒たちからは、ジグソー活動を経て、冒頭の問いに対する答えとして「Leaders」「Education」「Discussion」「Revolution」等、国の発展のために大切なことについて様々な声が挙げられました。生の英語に親しみながら、開発途上国の現状や課題についても考えを深める時間となったようです。


注1 東京大学CoREFユニット:東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構高大接続研究開発センター高大連携推進部門。
注2 参考ウェブサイト:埼玉県教育委員会「学びの改革」の推進(下記リンク)

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