国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

高校の部 最優秀賞 文部科学大臣奨励賞

「実践+継続=∞(無限大)」

長野県長野高等学校 一年
草間 由紀子

私は、今年の七月にカナダのオタワで開催された生物多様性のユース国際会議に日本代表として出席した。私達が七年間続けてきた環境活動と四年前から始めたフクロウの保護活動について発表し、ベストプレゼンテーションで、E.O.ウィルソン賞をいただいた。しかし、そこで私が得たのはそれだけではなかった。

その会議の中で私は、南米のジャガイモについてのプレゼンテーションを聞いた。南米の人達は、大きさも色もバラバラな三十種類以上のジャガイモを一つの畑で育てている。しかし、先進国の人々は、それを農業を知らないと笑い、お金が儲かる遺伝子組み換えのジャガイモを勧めた。化学肥料が良く効き、今まで作っていたジャガイモの何倍もの大きさにそろった品質もほとんど同じジャガイモを売り、お金も入った。しかしある年に冷害がこの地域を襲い、品種改良をしたジャガイモは絶滅したが、昔からのジャガイモは生き残った。一度化学肥料を入れた土は疲れ、肥料を買うために農家は借金をしなくてはならなくなった。しかし、昔から農業を続けた土は活き、大金は手に入らないが暮らしていける。南米の人達の多様なジャガイモは、どんな気候変動が起きても絶滅することはない。更に、先進国が知らない、何百種類もの植物を生かして使っている。効率性や経済といったものさしだけで、物を計ることの危険性を学んだ。

八月に、国際連合人道問題調整部人間安全ユニットの田瀬さんの、お話を伺う機会があった。田瀬さんは、発展途上国の経済安定のために、多毛作を進め、それに必要な井戸を作っている。ここで私が印象に残ったのは、「現地の人の力を信じる。」とおっしゃったことだ。千ドルのフィルター付きの井戸ではなく、百ドルの井戸を、わざと田瀬さんは作る。高い井戸は、いくら機能がよくても現地の人が、金銭面、技術面で井戸を直せない。一方、安い井戸は現地の人が自分の力で直せる。だから、将来を見据えた援助が、最も大切だと田瀬さんはおっしゃった。更に、現地の人に井戸を直す教育や、農作物の作り方の教育などもしている。農作物の作り方などを学んだ村の人が、隣の村の人達に伝えていくことで、その時に初めて、その技術はその村の人達のものになる。

私が続けているフクロウの調査も、機会ある毎に発表している。多くの人に知ってもらい、一人でも協力してくれる人を作りたいからだ。長野の山の生態系がくずれないうちに、食物連鎖の頂点であるフクロウを保護していきたい思いもある。今年は、フクロウのエサとなるネズミの調査も始めた。この調査を継続していくことで、もし、森に異変が起きた時、私は気付くことができるかもしれない。だから私は、これをライフワークとして続けていきたいと思っている。

それだけでなく、多くの生物について学びたい。できたら、日本だけでなく、世界の生物も学びたい。日本だけを見ていても、本当に地球が必要としている保護活動が何であるかを考えられないと思うからだ。絶滅危惧種や希少動物を守っていけるUNEP(国際連合環境計画)といったような国際的な機関で、将来活動していきたい。その時に、効率性や経済性といったものさしだけで計らず、現地の人を信じ、現地の人とともに活動したい。田瀬さんが、「忙しいとうきうきするよね。」とおっしゃっていた。私も将来、そんな気持ちで、活動できる職業につきたい。

Think Globally Act Locally!この言葉をモットーに、今まで活動してきた。これからも、この言葉を大切にした活動をしていきたい。

プログラム紹介