国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

高校の部 入選

かんぴょうで地球を救う

栃木県立小山北桜高等学校 二年
佐藤 秀徳

私たちの学校の周辺では、夏になると風になびく白いかんぴょうを目にすることができます。みなさんもご存知のように「かんぴょう」とは、ユウガオの実をむいて乾燥させて作る保存食です。栃木県でのかんぴょう生産の歴史は古く約300年も前から作られている全国に誇る特産物です。そして、全国の生産量の約90%以上のかんぴょうがこの地区で作られています。そんなかんぴょうの生産が今、危機を迎えています。その理由は農家の高齢化と価格の急落により、ユウガオの作付面積が、20年前の10分の1ほどにまで減少をしてしまったことです。このままでは、栃木のかんぴょうが衰退してしまいます。そこで、私たち高校生にできるプロジェクトを考え、地域と連携をして、地域を元気づける活動に取り組みました。

まず、始めに株間の違いがどのように収量に影響を及ぼすかを調べるため、五つの試験区を設け、収量調査の試験に挑戦をしました。かんぴょう農家の朝は早いといわれています。それは日が昇る前までにかんぴょうを干し終わらせないと十分に乾燥しなくなり、白くて品質の良いかんぴょうにならないからです。私たちは学校に合宿をして、早朝からかんぴょうむきを行いかんぴょう農家の辛さを実感しました。この経験から、かんぴょうづくりと天気はとても密接な関係があることが分かりました。

私たちは苦労してできたかんぴょうを調理して食べることにしました。調理をする前に、かんぴょうの栄養素についてどのようなものがあるか調べました。結果、かんぴょうにはカルシウムが他の野菜に比べると豊富に含まれていることがわかりました。そのため、カルシウム不足の人や魚が嫌いな人にかんぴょうを食べてもらえば、不足した栄養を補うことが十分できると思います。

夏休みのかんぴょう作りの体験から、ユウガオの実をむくと半分ぐらいのわたがゴミとして処理されてしまいます。実にもったいない話です。ユウガオの実を無駄なく食するための良い方法は何かないかと考えてみるとユウガオの実をわたや種といっしょに細かく砕き、乾燥をさせ、粉末にすることで料理がしやすく食べやすくなると思います。料理の例として、かんぴょう粉末を小麦粉などに混ぜて、うどんやパンにして食べると簡単にカルシウムを摂取することができるのではないかと思います。こうすれば、かんぴょうの消費量も多くなり、生産面積も増え、地域の農業を活気づけることができると思います。

ところでかんぴょうの原料であるユウガオについて、素朴な疑問があります。それはユウガオはいつ、どこの国から日本に伝わったのでしょうか。ユウガオは乾燥に強い性質を備えた植物で、アフリカに原種があると言われています。こうしたことから、アフリカの大地はユウガオ栽培にむく土地なのです。今、アフリカの子供の多くが飢餓で苦しんでいます。かんぴょうの魅力をこの地域に向けて発信をすれば、栄養不足で苦しんでいる多くの子供たちを救うことができるのでないかと思います。その実現のためにはまず、かんぴょうのもつ栄養的価値を多くの人に知ってもらわなければなりません。さらに、ユウガオの栽培や加工技術などを海外に支援する体制をしっかりと築いていかなければならないと思います。私は、地域でごく普通に目にするユウガオが地域だけの産物だけにおわるのではなく「世界を救う」大きな可能性を秘めている産物になってくれればと期待しています。

プログラム紹介