国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

高校の部 入選

私へと繋がる道

高知市立高知商業高等学校 三年
坂下 凛

私は目標を持っていた。それは昨年から新たなエコ商品として開発したマイ箸「はりまや箸」を十年、二十年と後輩が続けていける活動にすることだ。今年、三年生になった私は生徒会執行部としてラオス学校建設活動と関わることができるのはこれが最後となる。そして、この活動に対する思いは年々強くなってきた。今年、私は「はりまや箸」担当のリーダーとなった。私には一つの任務があった。はりまや箸の箸袋の製作をラオスにある縫製工場「ラオコットン社」に依頼することだ。

ラオスの首都、ビエンチャンにあるマーケットで箸袋の材料となる布を購入し、逸る気持ちを押さえながらラオコットン社に向かった。そこで私は日本から技術指導に来ているご夫婦に出会った。私は日本から持ってきた箸袋のデザインを見てもらった。そして、通訳を通し、細かい打ち合わせが始まった。言語の違う人を相手に思いを伝える難しさに、歯がゆさを感じることがあったが、私たちの気持ちが伝わった時、すごく嬉しく、もっと伝えたい理解し合いたいと思った。数日後、ラオコットン社を訪問し、出来上がったサンプルを見ることができた。ラオス伝統の織物が本当に綺麗で、私は一目見て「これいいやんか!」と思った。しかし、ご夫婦やボリボンさんなどこの活動をボランティアとして手伝っていただいている方は、「紐の長さ」「タグの位置」など、細かい部分までチェックしてくれ、アドバイスをくれた。専門家の意識の高さとともに、私たちのはりまや箸に対する思いを真剣に受け止めてくれていると感じた。私たちの思いを形にしてもらったことで、この活動は人との繋がりがあって初めて成り立つことを改めて強く感じた。以前、ラオコットン社に勤め、私たちがお世話になったボリボンさんを始めとするボランティアの方々。そして、今年ラオコットン社で出会ったご夫婦。多くの協力があってこそ私たちの国際協力活動は続けられる。はりまや箸が私たちを結びつけてくれる架け橋となったのだ。こんなにも沢山の人の思いが詰まった箸袋を絶対高知に持ち帰り、広めていこうと思った。

ご夫婦の「言葉が違う人に思いを伝えることはとても難しい。しかし、思いを伝えることは相手を理解するためにも自分を成長させるためにも大切なことです。」という言葉を聞いた時、私には技術指導はできないが、人に伝える仕事をしたいと思った。そして、この思いを確信付ける出来事が起こった。それはラオスの小学校で行った授業や交流の様子を撮った写真を見ていた時、「ジャーナリストとか向いているかもね」という先生の一言だった。それまでの私には、ラオスでの経験を活かして国際協力活動を続けていきたいという漠然とした夢があった。しかし、これをしたいという具体的なことについて自分の中に答えはなかった。「ジャーナリスト」という一言を聞き、一気に視界が開けた。一瞬を切り取った写真を使って、途上国の人々の心の温かさ、文化、紛争の悲しさ、飢餓や環境変化で貧しさに苦しむ人々の姿を写真を通して伝えていきたいと自分の中で強く感じた。私なりのやり方で人に思いを伝えることができる手段を見つけることができた。

私は今回のラオス研修で自分の未来に繋がる道を見つけることができた。私がこのラオス学校建設活動に参加するのはこれが最後かもしれない。しかし、私の、私だけの形でこれからもラオスという国や途上国に関わり、そして世界の人々の負の面だけでなく、人々の持っている持っている心の優しさ、幸せな笑顔、人の持つエネルギーを伝えていきたい。そして、伝えるだけでなく、そこから途上国のために私ができることを探し、新たな国際協力活動へと繋げていきたい。伝えることから始めていこう。

プログラム紹介