国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

中学の部 優秀賞

幸せの花を咲かせたい

明照学園樹徳中学校 一年
川島 早葵

夏休みにショックなことがありました。家族が知っている有名女優が、覚醒剤という麻薬を使用して、逮捕されたことです。

麻薬があるからそれを使う人がいるのです。だから、そんなものを作る人がいなくなればいいのだと思いました。そして、その時、以前見たテレビ番組を思い出しました。

その番組では、タイの麻薬の生産地帯で、アヘンの原料になるケシ栽培に代わって、地元の村の人に梅の栽培を自分のお金を使って、教えている梅林さんという人を紹介していました。

彼は、タイを訪問したとき、「政府からアヘンの原料になるケシ栽培を禁止されたので、標高が高いこの土地でもケシに代わる農作物の栽培ができないか。」と村の人から相談を受けたのです。村では、これまでに桃やコーヒーなどを栽培してきましたが、病気になったり、虫がついたりして、収穫ができなかったのです。

そこで、彼は、この土地でも栽培できそうな梅を作ることを提案しました。梅は高地に適していて、加工がしやすく、塩漬けなどで保存ができるため、運搬もしやすいからです。

彼は、半信半疑だった村の人たちに「必ずケシに代わって、村の収入源になる。」と、説得しました。彼の熱意に村長が行動をおこしました。畑のケシを全部抜いて、その代わりに、梅の苗を三百本植えました。

数年後に梅の苗が成長し、村は梅の花に包まれました。そして、たくさんの梅が実ると、村の人たちにケシに代わる新しい現金収入ができました。大喜びする村人たちの笑顔を見て、「これからも、梅の栽培をやってみる価値はある。人生をかけてみよう。」と、彼は決意したそうです。

この村の人たちは、彼に出会うまでは、生活するためのお金を得るために、悪いことと知りながら、ケシの栽培を続けていたのです。彼に出会ったことで、梅の栽培を知り、胸を張って生活できるようになったのです。

開発途上の国には、道路を整備したり、橋を架けたり、ダムを造ったりする大規模な開発が必要です。けれど、この梅の栽培を教えた人のように、地域の人たちの自立を促す活動も負けないくらいに大事だと思います。

今、私の学校では、プルタブとペットボトルのキャップを集めて、体の不自由な人のために、車椅子を寄付する活動を行っています。タイの人のために梅の栽培を支援した梅林さんのような大きな活動ではありませんが、車椅子を使う人の笑顔を想像しながらキャップやプルタブ集めをしています。

「自分の頭と体とお金を使って汗を流すのがボランティアの原点だ。」と笑顔で語っていた彼は、本当に幸せそうでした。

私も将来、人に教えられるような技術を習得し、社会に貢献できる人になり、多くの人たちの心に幸せという花を咲かせたいと思います。

プログラム紹介