国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

中学の部 優秀賞

自然破壊と貧困

徳島文理中学校 三年
十川 和樹

「最近、炭も安くなったなぁ。」

そう言いながら父はお金を払った。四百九十八円。僕と父は夏休みに家族そろってバーベキューをしようと買い出しに出かけた。

肉を焼く炭の箱を何気なく見て驚いた。そこには“マングローブ・マレーシア”と書かれているではないか。

アウトドアが流行し、バーベキューを楽しむそのかたわらに“マングローブ”と書かれた炭の箱が山積みにされている。

僕たちの娯楽のためにマレーシアのマングローブは日々伐採され、炭にされているということだ。日本の炭は高い。だから安い外国の木を切り倒して輸入しているのである。

僕は小学四年生の時、“緑の少年隊”として植樹をしに行ったことがある。そこで土砂災害の防止や水質資源の確保など、森林のもつ多目的な機能や森林を健全な状態で維持していくことの重要性を学び、汗をいっぱいかいて何本も何本ももみじの木を植えた。この木が育って土砂の流出を防いだり地球温暖化をやわらげ空気をきれいにしてくれると思うと、とても誇らしい気持ちになった。山の緑いっぱいの心地良さ、川の美しさは例えようがなく、山の緑を守っていかねばならないと深く心に感じたことを今もはっきりと覚えている。

それなのに外国のマングローブを切り倒しその炭でバーベキューを楽しんでいる僕たち。

遠く離れた外国の木のことだから関係ないと思ってはいけない。森林が減ることで自然環境が破壊され、大雨による洪水や異常気象が起こると作物が高騰し、現地の人々の生活が脅かされる。

環境破壊の裏側に途上国の貧困がある。日本の豊かさとは何だろう。物質的には確かに何でも安く手に入り便利な生活になっている。

しかしその豊かさの裏側には途上国の森林伐採などの環境破壊、それによる自然災害、そこから生まれる貧困。木を切るのは現地の人だが、それを進めているのは僕たちかもしれないということを知らなければならない。

僕たちにできることはまず知ること。そして具体的な環境破壊や問題を友達や大人に知らせることだ。多くの人が知ればそれが大きな力や活動となる。遠い外国の自然破壊が地球規模の災害を引き起こし新たな貧困を生む。

途上国に物資を送るのも国際協力だが、新たな貧困を作り出さないよう、自分の身の周りのものを改めて考えることも国際協力である。自然と貧困はつながっている。

今、地球で起こっていることを多くの人に知らせたり気づかせたりすることは、地球と僕達のためにできる行動の第一歩である。

外国で洪水や自然災害が起きた時、飢餓や貧困に苦しむ人々を見たら考えてほしい。自分が関係しているかどうか。貧困を生む手助けをしてしまっていないかどうか。そして、それでも無関心でいられるかどうかを。

プログラム紹介