国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

中学の部 最優秀賞 文部科学大臣奨励賞

今、僕にできること!

村田町立村田第一中学校 三年
大沼 圭吾

6年前の春、僕はスリランカの小さな村にホームステイをしていた。丁度、その一年前母がその村で小学校の図書館を造るボランティア活動をしていて村人達と親しくなり、その翌年、今度は僕を連れて再びその場所を訪れたのだ。最初その村を訪ねる喜びでいっぱいだったが、日本育ちの僕にとって、村での暮らしは日本の生活とは全てが違い、とても過酷なものだった。

まず、朝は毎回、歯磨きと洗顔をたったコップ一杯の水で済ませなければならなかった。日本では当たり前の様に水道の水を出しっ放しにして歯を磨いていた僕にとって、コップ一杯の水だけでは絶対に無理だと思った。しかし、母が「ここでは水はとても貴重な物なんだから、工夫して大切に使う事を覚えなさい。」と言った。確かに口をすすぐ時に少量の水でも勢いをつけて一気に吐き出せばきれいになる事が分かり、コップの残り半分の水を片手にそそぎながら素早く顔全体をこすれば洗顔もできた。

「なんだ、やろうと思えば案外出来るじゃないか!」と僕は思った。出来るはずが無いと思えた事でもコツをつかめば、出来た自分に少し自信が持てる様になった。

実はその村にはまだ電気と水道が無く、村人達は毎日その日使う分の生活水を遠くの泉まで汲みに行かなければならなかった。しかも泉の水を守る為、一世帯あたりの水の量はバケツ二杯までと決められていたので、一滴もこぼさない様に気をつけて家まで運ぶのは当時の僕にとってかなり大変な仕事だった。だからこそ、余計にコップ一杯の水がとても貴重で大切な物に思えた。

その様な生活をし、帰国した僕は、以前の様に水を出しっ放しで歯を磨いたり、手を洗ったりする事にとても罪悪感を感じる様になった。それは、自分の中ではっきりと無駄遣いをしているという意識が生まれたからだ。

日頃、必要最低限の物で間に合う事はたくさんあるのに、日本ではモノが豊富にあり、その上、簡単に手に入れられる為、本当に必要な量が一体どれだけなのかという事が分からず、ついつい無駄に使い過ぎていると思う。たったコップ一杯の水で歯磨きと洗顔の二つの事が出来たのと同じ様に、出来る事は他にもまだまだ沢山あるはずだ。

僕はスリランカでの体験を通じて、自分に出来る事からコツコツと実行する事が必要だと思い、水を大切にする事は言うまでも無く、使わない部屋の電気を消したり、買い物の時はエコバッグを持って行くなど、自分の身の回りの事から無駄を省いていこうと行動している。僕は「千里の道も一歩から」を信じ、資源を無駄に使わないと心に決めた。それが地球上の限られた資源を少しでも守る事に繋がると信じて!

プログラム紹介