国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

中学の部 入選

もう一つのふるさと

学校法人小林学園本庄東高等学校附属中学校 三年
飯島 至乃

二億四六〇〇万人。

これは何の人数を示しているのか、知っていますか?実は、ILO(国際労働機関)の推計で、世界中の五歳から十七歳までの児童労働者の数です。そのうち一億七一〇〇万人が危険な環境下で働き、およそ八四〇万人は強制や借金のかたに取られての労働や武力紛争などに携わっているそうです。

私はミャンマー人の母と日本人の父を持ち、小さい頃からこの「二つのふるさと」を行き来してきました。なので、児童労働の苛酷な現実をずっと目のあたりにしてきました。

ミャンマーという国は、まだ発展途上であまり良い国とは言えません。児童労働者も、とてもたくさんいます。医療も満足に受けることができません。そして最近では、政治の悪化が日本でも報じられるようになりました。

そんな私のもう一つのふるさとを救いたい、と考える様になったのはある男の子との出会いがきっかけでした。私が小さい頃、母に連れられて行った市場の隅に彼は居ました。両腕と左足を失った彼は、必死に物乞いをしていました。小さかった私にとって、彼との出会いはショックでした。その時私ができた事は、母から手渡されたお金を彼に渡す事だけでした。

その時から私は将来ミャンマーでの国際協力を仕事にする、と決めました。それにあたって、一番大切なのは「知る事」だと思います。まず現地語を話し、文化・風習・宗教・政治形態などを知った上で、どの様な行動が彼らに本当に役立つかを考える事です。そしてもう一つ大切なのは「対等」でいる事です。多くのメディアが現地の悲惨さを誇張している様に感じますが、それは大きな問題です。先進国の人々は「貧しいなら、お金や食料を恵んでやれば良い」と考えがちです。彼らが本当に必要としている事を知ろうとせずに。それではただの親切の押し売りで、自己満足なのだと思います。私たちと彼らは対等な尊厳を持つ事、すばらしい文化や歴史を持つ事を絶対に忘れてはいけないと思います。

中学生の私が今できる事は、勉強する事です。将来、もう一つのふるさとに貢献できる職に就く為です。私の国際協力に対する考えが正しいのかは、やってみるまでわかりません。たとえミャンマーがどんなに世界から非難を浴びようと、私はこのもう一つのふるさとが大好きです。だから、その気持ちを大切に、国際協力の道を歩んでいければいいと思います。

もう一つのふるさとの未来を信じて。

プログラム紹介