国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

中学の部 入選

「明日は今日」

常滑市立青海中学校 三年
遠藤 遥

いつも何げなく通る職員室前の廊下。そこには、小さな窓がある。青年海外協力隊としてガーナへ行った後藤先生からの便りである。ガーナでの活動の様子や、生活について見せてくれる窓だ。からからの暑そうな大地で生活する子供たち。食事は、自分だったら満足できるだろうか、と思えるもの。校舎も日本の学校とは違い、簡単な造りだ。

後藤先生はこのような場所で、青年海外協力隊として子供たちに数学を教えている。僕はこれを見る度、先生の行動力や心の強さを感じる。ガーナへ行くぞと決めた心の中にも、長い間家族と別れる悲しさ、現地での健康についての不安などたくさんの気持ちがあったと思う。でも、元気に頑張っていることを知ると、何だかうれしくなってくる。

自分達も、先生のように何か少しでも行動ができないだろうか。そう思っていた自分にいい機会がめぐって来た。

二年生の冬、僕は生徒会の役員をやっていた。その頃、丁度校長先生から「ペットボトルのキャップを集めるとワクチンと交換でき、子供の命が救える。更に集めたキャップ分の二酸化炭素が削減できるという活動がある」と、やってみたらどうだと言われた。

さっそく実行にうつすことになった。キャップを入れる箱を作ったり、呼びかけのためのポスターを作ったりした。キャップ八〇〇個でポリオワクチン一人分の二〇円になる。そう考えると、とても気が遠くなる。みんながどれだけ協力してくれるかも分からなかった。でも、呼びかけをして少したち、自分のクラスの箱を振ってみると、ゴロゴロと音がした。日を重ねるにつれ箱は重くなり、ゴロゴロという音は大きくなっていった。後で集計するのがとても楽しみになる。

集計の結果、六〇〇〇個近くのキャップが集まり、ポリオワクチン七人分となった。大きなポリ袋が破れそうなくらいで、驚きと達成感で胸がいっぱいだった。一人の小さな力が集まると、こんなに大きな力になるんだと痛感した。

心の中で思うだけでなく、それをどんな形でもいいから行動に移すことが重要だと思う。先生のように、直接現地に行くことはできなかったが、自分達なりにできることはいっぱいある。これからもこの気持ちを大切にしていきたい。

そして、僕が望む理想の地球は、みんなの顔がちゃんと見れる地球。それぞれの国の人が、横一列に手をつなぎ合っていつも互いを確認し合える。どこかが、置いてきぼりになったり、独りよがりに走ったりせず、一緒に歩ける地球がいい。それぞれの違いを理解し、みんなの口から「幸せ」という言葉が出るまで、どれだけかかるだろうか。そう簡単にいかないのは分かってる。でも、明日じゃなく、今日できることをやってみる価値は十分ある。

プログラム紹介