国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

中学の部 入選

笑顔で心の橋渡し

神戸市立渚中学校 三年
小林 和樹

僕の通学路にJICA兵庫がある。毎朝その前を通り登校する。

ある朝、いつものように登校中の僕に外国の人が話しかけてきた。「待っているバスが来ないがここで間違いがないか。」「間違いない。」と答え、その場を通り過ぎようとしている僕に、ひと言日本語で「ありがとう。」

焦ってなかば走りながらその場を通り過ぎた。簡単な英語なのに、彼はあんなにやさしい笑顔で僕にお礼を言ってくれたのに何故僕はこんなにも緊張して逃げるかのような行動をとってしまったのか。後悔か反省かよく分からない恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。それから不意にある記憶が蘇った。

小学六年生の時、外務省後援の『日韓こども通信使』に選ばれ、韓国の人と触れ合う機会を得た。その時のホームステイ先の家族の人は日本語を話せず、僕も韓国語を話せなかったが何とかなった。滑らかな会話は出来なかったが、僕の言わんとしていることを汲み取ってくれ不思議と心の交流が持てた。よその国で緊張しているガチガチの僕の心をやさしく包んでくれたあの笑顔。僕はいっぺんで韓国が好きになった。

数年前トルコに旅行に行った。イスタンブールの空港に着くなり僕を見るトルコ人が、「ジャポン、ジャポン。」と満面の笑顔で話しかけてきたり、頭や顔を触ったりしてきた。中には頬にキスをしようと試みる人までいた。しかも全員見ず知らずの人達だ。現地のガイドさんが、アジアとヨーロッパの二大陸をつなぐ『ボスポラス海峡横断地下鉄建設』を日本が支援していて、親日のトルコ人がとても多いからだと説明してくれた。その後も至る所で「日本はいい国だ、日本人は誠実で働き者だ。」とさんざん褒め称えられ帰国の途に着いた。帰ってから詳細を調べ出して、それらの事業はJICAから派遣されているボランティアの方々の多大な働きであることを知った。その一人一人のお陰でただ日本人というだけで親切にしてもらえた僕。こんなによくしてもらえていいのか。僕自身が出来る事はないのか。

災害復興住宅地にある僕の中学校の生徒会活動の一つに募金活動がある。中国での『四川大地震』・『兵庫県西部豪雨災害』で募金箱を持って中学校の校門前に立った。募金袋を入れてくれる人に感謝し、被害を受けた方々の復興を祈りながら先生と共に集計する。今の僕に出来る事、こんな小さなことしかない。受験勉強に追われ毎日が過ぎていく。海外の国で仕事をしてその国で親日家を増やすなんて大それた事、とても無理だ。僕は将来国際貢献なんて大きな仕事をできる人間になれるか正直自身はない。

ただ、僕の行動の軌跡で「日本人は頑張っている。」「あいつの笑顔は忘れないよ。」と言われるような人間になりたいと心から願っている。そして、僕は頑張る。ここに誓う。

プログラム紹介