国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト 2009年度優秀作品

中学の部 審査員特別賞

三方よしのボランティア

滋賀大学教育学部附属中学校 一年
橋本 祐樹

私の住んでいる滋賀県は近江商人の地でもあります。江戸時代から明治にかけて行商を行っていました。その形態は地方での産物(原材料)を町へと運び商品(加工品)を地方へと売り歩いていたそうです。ちょうど近代の日本の経済と似ています。「近江商人の通ったあとは草をも生えぬ」と批判される事もありました。しかし、近江商人の理念として今も大切にされているものがあります。『三方よし』と言う言葉です。三方よしとは、商いは売り手と買い手だけでなくその商いが社会全体の幸せのためになるべきだと言う意味だそうです。この三者がよしとならなければその事業の繁栄、継続は成りたたないという教えです。

小学校の時ボランティアについて学習しました。自主的に行う奉仕活動で国内だけでなく、世界中の貧しい国、地域の人々に対して資金や品々の提供を行なったり、それだけでなく技術支援などの人的支援をはじめ現地に根をはった活動を行っている事を知りました。テレビなどで困っている人々の中に飛び込み、精力的に活動し、現地の人たちと信頼を得ているボランティアの番組を見て心を打たれることもあります。でも日本の国から出たこともなく支援を必要としている人々に直接出会ったこともない私にとって何が出きるのか解からない戸惑いと、行動を起こす勇気がないのが恥ずかしいです。

ある日、スーパーで買い物をしているとそこには聞いたこともない言葉が書かれた広告のコーヒー豆を見つけました。「フェアトレード」新しいブランドかと思いました。でも良く見るとそこには「公平な貿易」と書いてありました。このコーヒー豆を買うと生産者の人々が今までよりも少しだけお金を手に入れる事が出来るようです。寄付金が付いた商品なのかと思いました。でも調べて見ると違いました。そこには、生産者の安定した生産活動を守り生産者の生活の向上を図るために必要なお金が商品に反映され、消費者の私たちには、安全な基準が守られた商品が保障されると同時にその商品を購入する事により社会貢献への機会が提供されているのです。そしてこれらの商品を開発・取り扱うことによりその企業の社会的価値の向上が認知されるのだそうです。これこそ『三方よし』の考え方と同じなのではないでしょうか。富める国が利益を一方的に確保するような取引ではなく三方よしの取引をすれば、それだけで社会貢献ができるすばらしいシステムだと思いました。遠くにいる私たちでも、毎日の生活の中で少しでも認識を持って商品を選択すれば社会貢献ができるのではないでしょうか。

素敵なシステムがもっと普及する事を願ってあの広告にあったコーヒー豆を買うことにしようと思いました。

プログラム紹介