「2010年チリ大地震による建物被害と耐震対策(地震被害調査報告)」をテーマにJICA派遣専門家が報告

2010年6月30日

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会場の様子

福井県JICA派遣専門家OB会の代表で、研究協力プロジェクト「チリ共和国における構造物群の地震災害軽減技術(1994-1997)」に関わった小林克巳教授(福井大学、工学研究科)が、福井震災記念日に合わせて6月28日、福井市アオッサにて、本年2月27日にチリで起こった地震(マグニチュード8.8)の地震被害調査報告会をしました。

福井地震から62年、震災記念日に学び、「災害は忘れずにやってくる」を副題とした調査報告会には、学生、設計士、研究者および一般市民約90名が出席しました。

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小林教授

3月28日から4月5日にかけて現地調査した小林教授の報告では、チリの建造物の耐震規定はこれまでの大地震の経験に基づいており、またアメリカなど外国の基準を参考としているものの、現地設計者の経験や勘に頼っている部分も多いこと、チリの壁構造建物は、日本の壁式構造と異なり建物周囲に壁を配置しない開放的な設計になっていることで耐震強度が劣ることなど、写真とともにJICAプロジェクトの成果も含めて詳しく説明し、さらに、教授はチリの高層建築物のほか、地域独特の日干しレンガを組積したアドベ造建物の被害や津波被害についても報告をしました。

参加した福井市内の設計士は、海外の建築物の耐震性について知り、今後の設計の参考としたいと地震被害調査報告会への出席を希望。大学の研究者およびJICA専門家として語られる地震被害データを見て、厳しい基準を設けている日本の設計、建築現場にも活かしたいと感想を述べました。

JICA地球環境部、JICAチリ支所およびプロジェクトのカウンターパートであったチリ・カトリカ大学の全面的な協力を得たこと、プロジェクト終了後も人的ネットワークが存続しており、これが財産となってスムースな現地調査ができたことに小林教授から謝意が述べられました。