JICAインターンによるレポートを紹介します(その2)

2010年11月17日

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JICA北陸スタッフの前で発表をするインターン生

JICA北陸でインターンが業務体験しました。

前回、「JICAインターンによるレポートを紹介します(その1)」をお伝えしましたが、引き続き、『アフリカ(仏語圏)農業・農村開発コース』に参加して、感じたことや学んだことを報告してもらいました。



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今年参加したインターン4名

業務体験の最終日には、発表を行いました。緊張しながらも、感じたことや気づいたことを真剣に伝える姿が印象的でした。

『アフリカ(仏語圏)農業・農村開発コース』で感じたこと(以下、インターンの報告)

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熱心に講義に耳を傾ける研修生の皆さん

今回、私たちが同行させていただいたのは、2010年8月23日から9月9日までの13日間、福井県内で行われた『アフリカ(仏語圏)農業・農村開発コース』です。この研修はJICA北陸とコラボNPOふくいが協力して実施したものです。アフリカの農業を支える若いリーダーを育成するための、地元の農家や農業関係者から地域を中心とした農業経営のノウハウを学ぼうと、今年度はアフリカ各国の政府関係者ら、13名が参加しました。

午前中には研修の一環として、福井県越前市立服間小学校を訪れました。日本の学校給食の特徴と「地産地消」をテーマに地元農産物を学校給食と結び付ける活動について学びました。研修生の皆さんは熱心に質問を投げかけ、得た知識を自国に生かそうという熱意が感じられ、その姿に心打たれました。

他にも感銘を受けたことがあります。児童と給食を食べる機会があったのですが、13人中6人が「ラマダーン(断食)」の最中で給食を食べることができませんでした。その時、不思議がる児童を前に、説明するために前に出たセックさん(セネガル出身)は最初に「この場で私たちの文化を皆さんに発表できることをうれしく思う」と、おっしゃいました。自国の文化を本当に大事に思っているのだなと感じました。

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笑顔で握手を交わす児童とカタレさん

服間小学校と地域の農家を繋いでいるのは「旬采.com」という福井県南越地区内の生産者、JA、市場が組織している団体です。新鮮・安全・安心な農産物を届けることをモットーに活動しています。「旬采.com」のマークが貼ってある農産物は、消費者に対して「新鮮・安心・安全」という付加価値をアピールし、かつ地域のネットワーク作りにも貢献しています。ガボン出身の研修員、ムレンデさんにお話を伺ったところ、「ガボンでは、収量もわずかで外部から孤立している農家が多い。その点、日本の農家は規模が小さくても、収量を増やす工夫があり、地域の連携も進んでいる。ガボンに帰ったら、まずは地域のネットワーク作りから始めたい」と、意気込んでおられました。

余談ですが、小学校見学の際に研修員の皆さんと小学校の児童が触れ合う機会がありました。児童は異国の方を前にして興奮した様子で、騒ぎながら後をついて回ったり、握手やサインをしきりにお願いしていました。研修員の皆さんも、日本の子供と触れ合う中で、自然と笑顔がこぼれている様子でした。

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楽しそうに足で大豆を潰す研修生の皆さん

午後のあさひ愛農園では、日本農業における個人の複合経営あり方と農産物加工販売について学びました。始めに、あさひ愛農園がどのように運営されているか、資金調達の方法などのについて学び、次に米の他にも桃や大豆が栽培されているという説明を受けました。園内の設備の説明では、巨大なタンク型の精米機やコンバインが紹介され、研修員たちはその仕組みや機能の説明を興味深げに聞いていました。さらに実際装置を動かしていました。

その後訪れた「みそ工房」では、あさひ愛農園で収穫された米を使って味噌を作り、その味噌をもとにお菓子などの加工品を作っていました。有機栽培に効果的な方法、例えば水田一面に紙を敷いて雑草が生えるのを防ぐ、などの説明を受け、最後には皆で味噌作りを体験しました。大豆を足でつぶすなどの、始めての経験を楽しんでいるように見えました。最後の研修員からの感謝の言葉から、個人農業にもかかわらず生産から販売まできちんと管理していることへの感心や驚きが強く感じられました。農政の中央集権の地方分権化を推進しようという目的を持っている研修員たちにとって、日本の地域、個人が自立して活動しているという姿を実際に見ることのできた貴重な研修になったのではないでしょうか。

コンゴ民主共和国から参加されている地方開発省農村部共同組織局資金計画課長のアルベールさんによると、現在コンゴ民主共和国では農村協議会という組織が発足し活動を開始していますが、この組織は自治体のように各地域に存在していて管轄は農業省が行っているようです。また、これとは別に農業開発委員会も発足し、ここでは水資源の有効活用法や地域に適応した機械化、そして電気の使用法などを決めています。このように、政府側では農業促進のための対策が強化され始めています。しかし、日本の農協のような、政府から独立し民間の手によって運営されている団体や組織はあまり存在せず、コンゴ民主共和国の今後の課題として、農民間での組織化が挙げられます。

「数は力」という言葉があるように、個々の農民が結束することにより、政府と対等な立場で関係を保つことができるようになります。日本では、農村側から政府に対して土地改良を要望することも多々ありますが、コンゴ民主共和国でもこのような農村側の積極的な姿勢が必要である、と話されていました。そして、そのような改善事業を要請する際には農村側も費用を負担し、その土地を「自分たちのものにする」という仕組みが大切であるとも話されていました。

今回、青年研修に同行させていただいたことで、研修員の皆さんの「自分の国をもっと良い方向へ向かわせよう」という熱い思いを感じることができました。また、彼らは私たちの質問に対しても、本当に詳しく丁寧に説明してくれました。私たちは、異国の人に日本について質問されたとき、彼らと同じように詳しく答えられるのだろうか、と思いました。自国の文化に誇りを持ち胸を張っている彼らの姿は、私たちの目にはとても輝いて映りました。私たちが彼らに同行できたのは1日だけでしたが、彼らからは「自国に誇りを持つ」という大切なことを学ぶことができました。

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