里山シンポジウム「世界は里山里海に何を学ぶのか」が開催されました!

2010年12月8日

「持続可能な自然資源管理による生物多様性保全と地域振興SATOYAMAイニシアティブの推進〜」コース

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シンポジウムの様子

JICA北陸は財団法人自然環境研究センターを委託先として、里山イニシアティブと題した研修をアジア、中南米、アフリカの国々13カ国で自然環境保全と地域振興に携わる行政官や関係機関の職員14名を対象に実施しました。里山保全と地域振興についての専門的な研修が実施されるのは全国でも初めてです。

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エチオピアの熱帯雨林の調査を行う関係者(キダネさんの発表より)

研修の舞台は石川県で白山・白峰、加賀、能登と11月17日から12月3日までの日程で巡りました。この研修の一環として、地域の方がたと研修員のみなさんが互いに学べる機会を設けようと、11月27日(土)健康の森総合交流センター(石川県輪島市)で里山シンポジウムを開催しました。

日本の里山は研修員の眼にはどのように映ったのでしょうか。

里山をテーマに講演!

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「みなさんこんにちは!」参加者に向けて挨拶する研修員のみなさん

はじめに基調講演として能登で里山生態系の保全や活用について研究を進めている中村浩二教授(金沢大学)が、2010年10月のCOP10で発表された「日本の里山・里海評価」の成果とそれに基づく提案について講演しました。

続いて、国連大学において「里山イニシアティブ」(※)を担当する名執芳博氏(国連大学高等研究所)が、その取り組みと目的、行動指針や支援の仕組みについて講演しました。

海外の里山事情は?

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マレーシアで関わるプロジェクトについて紹介する研修員のトムさん

次に海外の里山事情とその取り組みについて、戸田光彦氏(財団法人自然環境センター)からはアメリカやアルゼンチンの里山保全の事例の発表がありました。続いて、研修参加13カ国を代表して、エチオピアの研修員キダネさん、マレーシアの研修員トムさんが自国の森林保全の現状や現在進行中のプロジェクトについて紹介し、森林保全や自然と調和した地域振興の重要性を伝えました。

パネルディスカッションで活発な意見交換

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研修受け入れ時の感想を話す大野さん(中)

JICA研修員14名ほか、大学関係者、環境省や石川県環境部、地域の方をパネリストとして迎えディスカッションが行われました。

ディスカッションを進行する宇野文夫コーディネーターからは、能登の里山保全の取り組みを視察してどのように感じたか研修員に質問があり、「大学や地域の方々、NPO団体など地元一体で自然資源を守ろうとする姿に強く共感した」とラウラさん(コスタリカ)が感想を話しました。

また、炭焼きの視察研修でお世話になった大野長一郎氏(大野製炭工場長)は、「離れていても同じ志を持ってやっていけると感じた」と受け入れ時に感じた想いが語られ、同じく視察でお世話になった吉田翔氏(奥能登塩田村)は「今回の機会は自分にとっても将来の大きな財産になったと語られました。

参加者からの感想

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発表を終え、ホッとした様子の研修員

「海外でも里山を管理し自然を守る習わしがあることを知り、国や地域は違っても里山を大切にする想いは同じなのだと感じました。私も生活を見直したりできることから始めたいと思いました」

「里山保全に携わる海外研修員の方からも自国での取り組みについて紹介があり、大変興味深かったです。世界全体の里山事情について情報を共有し、互いに学びあえたのではないかと思います」

今回、非常に時間が限られており、全体での討論としては十分にはできませんでしたが、このシンポジウムを通して、日本だけでなく世界の里山里海の現状を知り、私たち一人ひとりが地域でできる活動について共に考える良い機会となったのだと思われます。

JICA北陸ではこのような機会を今回だけにとどまらず、これからも研修や地域でのJICAの活動において地域の方々と地域・地球について考えていく場づくりを進めて行きたいと考えます。

※「SATOYAMAイニシアティブ」は、国連大学高等研究所と環境省によって推進されている国際的な取組みです。
里山のような二次的自然が、人の福利(=human well-being)と生物の多様性の両方を高める可能性があることに着目し、土地と自然資源を最適に利用・管理することを通じて、人間と自然環境の持続可能な関係の再構築を目指します。