国際理解講座『ハローワールド』(その4)

2011年1月13日

財団法人福井県国際交流協会とJICA北陸が連携して進める国際理解講座「ハローワールド」では、福井県内の小中学校へ講師派遣を行っています。

国際理解講座「ハローワールド」

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異文化理解ワークショップ

青年海外協力隊経験者が派遣される「ハローワールド」本年最終回。2010年12月8日、福井市松本小学校で開催されました。

今回のプログラム内容は、JICA職員のワークショップと協力隊経験者による話しの組み合わせになっており、これは本年度初の試みでした。受講生は、6学年4学級の106名。2クラスでワークショップを行い、残りの2クラスを協力隊経験者(渡邊則子さん、ボリビア、野菜栽培)、(川村尚孝さん、フィリピン、村落開発普及員)がそれぞれ1クラスずつ担当しました。

「レヌカの学び」 先入観を持っていませんか?

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この布は3つのすごい特徴があるんだよ

ワークショップではグループに分かれて、実際にネパールから長期研修員として来日していたレヌカさんの発言をカードにしたものを取り上げました。そしてそれがネパールにいたときの発言か、日本に来てからの発言かを考え、話し合いながら、それらのカードを振り分けました。

ワークショップを担当した山口市民参加協力調整員から正解を聞くと生徒たちは、各々で振り分けたカードと見比べ、「ネパール人はこう考えるだろう」という一方的な思い込みにとらわれていたと話し合いました。さらに山口市民参加協力調整員から「ネパール人だからというのではなく、人それぞれで考え方が違う」ということ、外の世界を理解するのに先入観が大きく作用してしまうことを聞き、生徒たちは考えを幅広くもつことの大切さを学びました。

みんなと仲良くなるにはどうしたらよいだろう?

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クラスでは積極的な意見が出ました

日本の裏側、ボリビア。野菜栽培の指導でボリビアで活動していた渡邊さんは、ボリビアについてのクイズを出したり、現地の手工芸やお金などを手に取らせたりしてくれました。「ボリビアに存在する、日本と同じ名前を持つ地名は?」など、ボリビアと日本の意外な接点も聞けました。

また、道路や水道、ガスなどの整備遅れや教師の足りない学校では、複式学級になっていたり、教科書の使いまわしがあたりまえだったりと、日本の恵まれた教育環境との違いを知らされました。

ボリビアでは、文化や習慣の違いを知り、理解することで困難を乗り越えてきた渡邊さん。講座では、みんなと仲良くするために何が大切なのかについて話し合いました。生徒からは「相手のことを知る」、「助け合う」、「我慢する」など、いろいろな意見が出ました。渡邊さんはそれらを総括しながら、「笑顔でいること」、「相手の話す言葉を使うなど相手を尊重すること」、「協力すること」などを挙げて、相手に思いやりの気持ちをもつことは日本にいても同じであること、困難を乗り越えるにはあきらめないことが大切であると子どもたちに伝えました。

なぜ勉強するのだろう? 自分なりの答えをみつけよう。

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生徒たちの真剣なまなざし

フィリピンで活動していた川村さんは、日本と身近な国、フィリピンの意外な姿を紹介してくれました。フィリピンには多種多様な人種が住んでおり、文化や宗教もさまざまです。乗合バスでは、チケットのお金を人づてに車掌に渡す習慣があります。この文化にはみんなが驚きました。
歴史的事情から、フィリピンの文化は外来の影響を受け、独特の融合がなされているそうです。

その後、フィリピンにある山の風景写真を見てもらい、気付いた点を生徒たちに発表してもらいました。
みんなは、「山に木がない」ことに気が付きました。これは一体どういうことなのでしょう。フィリピンでは若年層が増えており、食料を作る畑や、薪などの燃料用に、山林を伐採しています。そのため、木が少なくなっているのです。

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活発な意見が飛び交う

協力隊の活動では、失われた森林の復元や水路の確保のために村々を巡回し、植林や水道整備の必要性を村人に説明したそうです。

講座のなかでは、川村さん自身の人生に大きな影響を与えたバングラデシュ人のバブさんの話しが出ました。川村さんは大学時代、フィリピンの図書館に通いながら勉学に励んでいました。そのとき、苦学して医師になったバブさんから「知識を深めるのは悪いことではない。だが、その知識を何のために使うのか」と問われ、十分な返答が出来なかったそうです。

日本では、恵まれた環境にありながら、何のために勉強するのかを見失いがち。そのなかで、「なぜ勉強するのか考えながら生活してほしい」という川村さんのメッセージは、多くの生徒の心に強く残ったようです。

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