モルディブでワークショップを開催!−谷口さん(富山県)の報告−

2013年7月17日

ワークショップを開催した谷口さん

管打楽器専門店、有限会社ウィンズラボ(富山県高岡市)代表取締役・谷口亨さん。
小中学校における情操教育の一環として、吹奏楽部の指導のためにモルディブに派遣された隊員と知り合ったことをきっかけに、モルディブに外部有識者として派遣されることになりました。

モルディブでは、楽器の修理やメンテナンスのワークショップを行い、また、楽器を通じて現地の方と交流を深めて来られました。

楽器の修理のためにモルディブへ

谷口さんと、今回のきっかけを作った音楽隊員の豊田さん(左)、福井さん(右)

JICA調査団として、モルディブへ約1週間行ってまいりました。
今回の目的は、できるだけたくさんの楽器を直すこと、そして楽器修理の方法をモルディブのバンド指導者に教えるということでした。

初日は、ワークショップに使用する工具、部材を調達するためマレ市内の工具屋さんに出かけました。
日本では、工具を揃えることはそんなに難しいことではありませんが、モルディブではかなり困難だと聞いていました。
いくら修理方法を学んでも、工具が準備できず修理できないのでは何の意味もありません。
なるべく現地で用意できるものを使って修理することを考えました。

モルディブ初のワークショップ

真剣なまなざしで見つめる受講者たち

生徒たちの演奏も聴けました!

テレビ取材を受ける隊員

6月25日、26日はガン島のフェイドゥ・スクール、28日、29日は首都マレのヒリヤ・スクールにて、修理のワークショップを行いました。
ワークショップでは、各楽器ごとに修理方法を説明して実演、そして受講者にも体験してもらいました。
数時間で全ての楽器の修理を完全にマスターすることは難しいのですが、比較的簡単な修理については習得できたのではないかと思います。

ワークショップでは、修理に関する他に、JICAボランティア隊員によるメンテナンス講習も行われました。
スリランカからも参加があり、急きょ打楽器のチューニング方法を山本朗子さんに行なっていただきました。
木管、金管のメンテナンス講習については、モルディブ派遣隊員の福井二沙子さんと豊田星河さんが自作のテキストを用いて行いました。
3人とも専門的な教育を受けているだけに、素晴らしい指導でした。

ワークショップ以外の時間は、ほとんど楽器修理に時間を費やしました。2カ所の学校でワークショップを行ったわけですが、各学校から船で持ってきてくれた楽器をその会場で修理しました。
日数の関係上、すべての楽器を修理することはできませんでしたが、修理方法を学んだ先生方が島へ戻り、1台でも多くの楽器が演奏できるよう修理してくれることを願っています。

たくさんの方からの支え、そしてこれからの課題

空港にて。「おつかれさま」の紙を持って

今回、日本の楽器企業の皆さんや多くの個人の方々から、たくさんの消耗パーツやメンテナンス品を無償でご提供いただきました。
これは私1人では成し得なかったことです。皆さまの暖かいご支援に、心から感謝しております。
そして、JICAの皆さんの献身的なボランティア活動に直接触れることができ、深く感銘を受けました。

これからの課題は、モルディブ国内に優秀な技術者を育成すること。
そして、そこから多くの方が技術を学んでいくことです。
技術者が行って修理することも良いのですが、それではいつまでたっても技術者が育ちません。
できれば日本に来て、しっかりと技術を学んでもらえれば良いのですが…。

きっかけは、隊員の熱い思いから

生徒たちと記念撮影
みんな、笑みがこぼれる

今回の技術者の派遣は、ボランティア隊員が長年希望していたことでした。
楽器はあっても楽器の状態が良くなく、音楽を指導する以前の状態だったのです。
楽器は車と同様、必ずメンテナンスや修理調整が必要になってきます。
その修理技術者が、モルディブにはいませんでした。
現在音楽隊員として派遣されている福井さんから2012年に相談を受け、その実情を知りました。
そして、毎日のように修理の方法をメールでやり取りしました。
文章だけではなかなか伝えきれず、福井さんは一時帰国した際、わざわざ当店まで足を運んで修理を学びに来ました。
そんな経緯もあってのモルディブ派遣でしたので、私も実現できて本当に嬉しかったです。

最後に

飛行機からの眺め

アッドゥからマレへの移動中、飛行機から見るモルディブの環礁は、言葉では言い表せないほど綺麗でした。
今回、ゆっくり観光する時間はありませんでしたが、この美しい島々を見れただけで幸せな気持ちになれました。
いつかまた、観光でもモルディブを訪問したいと思っています。
今回の派遣において、JICAの方々も大変ご苦労されたのではないかと思います。心よりお礼申し上げます。