「循環型スクール」-カメルーンの未来につなぐ環境教育-

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私の配属先は、カメルーン中央州ンバルマヨ市のニーナ中学校です。同市には、川下りができる川やゴリラの保護施設があり、自然豊かである一方、街に入るとごみの回収システムがないため、至る所にごみ山が見られるという課題もあります。

赴任当初、街の風景を見て環境教育のために自分が派遣されたことに「なるほど!」と納得したのをよく覚えています。

ニーナ中学校にも複数のごみ山があったため、ごみ問題を活動の柱にすることにしました。

最初の授業では「なぜ、環境教育を行うのか?」を生徒と考えることから始めました。生徒の答えは「健康のため」「ごみが環境汚染につながるから」などだったので、「なんだ、意外とわかっている!」・・・のに「なぜごみ山があるのか?」疑問符だらけのスタートでした。

中学校の課題は、「ごみ箱がない」、「ごみ山になったらすべて燃やす」でした。

そこでまず、校内のごみを分析し、ごみの種類を把握した上で、校庭数箇所に三つずつドラム缶を設置し、「生ごみ」「プラスチック(ペットボトル)」「その他のごみ」の分別回収を開始。また各教室に「紙ごみ回収箱」を設置し、紙ごみ回収の仕組みを作りました。

各回収ごみは清掃担当職員に種類別で管理してもらい、生ごみはコンポスト(堆肥)にして校内菜園で活用、ペットボトルは洗ってホウキや入れ物に加工して利用、紙ごみはボールや軽作業の教材として利用する方法を授業で実践。ごみが形を変えて活用されるこれら「リサイクル」についての授業では、生徒から驚きの声がたくさん聞かれ、校内のごみを循環・再利用させるシステム「循環型スクール」によるごみ削減の試みは着実に前進しています。

ごみ箱の設置で校内のごみ山は徐々に減りましたが、ごみの分別回収は苦戦続きだったため、授業で三つのことを重視し、改善を図りました。一つ目は分別回収システムの確認と環境保全の必要性を繰り返し呼びかけることです。二つ目は回収ごみのリサイクル活動を積極的に取り入れたり、生ごみのコンポストを使った校内菜園の収穫野菜を生徒と食べたり、分別回収の成果を実感できる機会を増やすことです。三つ目は環境教育を楽しめる雰囲気作りを常に意識することです。

そして私が来てから最初に行った分別回収から一年半後、校内のごみ山が無くなり、約1,500個のペットボトルが再利用、加工利用され、生ごみを活用した校内菜園も実現でき、徐々に循環型システムが機能し始めました。また同市内のクリーン作戦も開催し、校内から地域へと活動範囲を広げつつあります。

さまざまな問題を解決するための具体的な「実践方法」が課題となっている国が多い中、その国の現状で最大限行えることを考え抜き、その国の人達と一緒に未来を考えていくことが国際協力だと協力隊活動を通して感じました。

2年近くごみの分別や清掃活動等、共に活動してきた生徒の「次の世代の子どもたちに環境問題のないカメルーンを残したい」という言葉に心が温まり、以前より頼もしく思いました。

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分別回収用のドラム缶とニーナ中学校の校舎

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分別回収したペットボトルを再利用のために洗う生徒

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分別回収したペットボトルをポットやホウキに加工中


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環境教育の授業内で校内菜園に行き活動

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環境教育の授業で、身の回りの環境を描きました

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市内のクリーン作戦の様子、ごみ袋はごみでいっぱいでした


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