「豊かさ」を考える
カメルーンに来て一年半が経過した。学校での仕事、民族の多様性、子育ての難しさ。ここで学ばせてもらっていることは数知れない。その一つに、「豊かさ」がある。 現地の人たちの生活には、自ら土を耕し、種を植え、育てるという生き生きとした人間本来の姿がある。貧しくても決してお金に執着することはなく、家族を何よりも大切にし、伸び伸びと生きるカメルーン人たちの姿を見て、日本にはない心の豊かさを感じずにはいられない。 日常の「食」を通しても、豊かな学びがここにはある。 例えば、消費者は自らの手で鶏をさばく。店先のおりから肉づきのいい鶏をひょいと取り出し、ナイフでさっと首をはね、羽を切り離し、ビニール袋に入れて持ち帰る。鶏が「肉」になる瞬間を初めて見た時、自分がスーパーで何気...
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