ハチミツ大国エチオピア、養蜂家のチャレンジ

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コーヒー発祥の地エチオピアで、コーヒーの飲用などよりもはるか昔から行われていたとされるのが、ハチミツの採集です。現在その生産は毎年4万5,000~5万トンに及び、アフリカで最大の量を誇っています。ただ、潜在採蜜量の11パーセントにしか達していないという見方もあり、生産力の向上と輸出振興が期待されています。

伝統的なハチミツの採集方法は、「開花時期に合わせて木筒の中をくり抜いた巣箱を大木の枝にくくりつけ、野生のハチが住み着くのを祈る」というもので、現在でも95パーセントの養蜂家がこの方法を踏襲しています。

エチオピア国内でのハチミツの需要は旺盛で、しかも伝統的な採集方法で生産したものを直接、消費者に販売できることから、比較的、高値での取引が期待できます。ただこの採集方法では、市場で「完熟ハチミツ」とされる、水分が20パーセント以下のものはほとんど採れません。

一方、外貨獲得や経済発展のため政府が振興を目指す輸出市場では、この完熟ハチミツは高く取り引きされますが、完熟ハチミツはほとんど採れない伝統的な方法で採集したものはそのままでは輸出は困難です。そこで輸出業者が買い付けたハチミツに熱処理を施し「精製ハチミツ」として輸出せざるを得ません。このため、輸出向けに卸す価格は、国内消費者に販売するときよりも安く買い叩かれてしまうという現実があります。

そこで注目されるのが、現代式巣箱。ハチ任せで必ず採蜜できるとは限らず、国際市場での競争力が低いハチミツしか採れない伝統式巣箱に比べ、現代式を導入すれば、完熟ハチミツの生産も、生産量の増加も見込めます。養蜂家は、国内市場向けに販売するのと変わらない金額で輸出業者に卸すことが可能になり、同時に国の経済にとっても輸出拡大につながる現代式巣箱の普及には、大きな可能性があるのです。

フンデさんという養蜂家は、6年前から現代式巣箱で養蜂し、抽出前のハチミツが詰まった巣を卸してきました。昨年、養蜂からの収入を増やすため、非常に高価な抽出器の購入を決断。今年からハチミツの抽出を始めたところ、約4割は完熟ハチミツの条件を満たしていました。また、若者の中には、現代式と伝統式の両方の巣箱を駆使するハイブリッドな養蜂家も現れていて、完熟ハチミツの生産量が増えていくことが期待されています。

今後、エチオピアで採集された完熟ハチミツが国際市場でより多く取引されることを、みなさんも一消費者として応援してください。

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伝統式巣箱の準備。材料はすべて自然界から手に入るもの

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ミツバチが好む匂いの葉を蒸し、巣箱内に注入する神秘的な作業

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伝統式巣箱から採集した巣。白い蜜蝋のふたがあると、完熟ハチミツが採れる


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フンデさん宅の庭には、手作りの現代式巣箱がいっぱい

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フンデさん(左)とその家族。日本人にも通じるシャイな養蜂家

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南西部の蜜源は大木に咲く花々で、フォレストハニーと呼ばれる


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